2021年の貿易収支は28億6,200万ドルの黒字、前年より黒字幅が縮小

(チリ)

サンティアゴ発

2022年03月07日

チリ中央銀行が2月23日に発表した資料によると、2021年の貿易(通関ベース)は、輸出(FOB)が前年比28.9%増の947億500万ドル、輸入(CIF)が55.1%増の918億4,300万ドルだった。貿易収支は28億6,200万ドルの黒字で、黒字幅は前年の142億5,900万ドルから大幅に縮小した。

輸出を品目別にみると、構成比62.0%を占める鉱産物は前年比40.5%増の586億9,400万ドルとなった(添付資料表1参照)。銅は、国際価格の平均が前年比50.8%増の1ポンド4.23ドルと高値で推移したことから、40.6%増の534億2,400万ドルだった。銅の主な輸出先は中国(構成比:52.9%)、米国(12.2%)、日本(8.5%)で、アジア向けが銅輸出全体の73.9%を占めた。

農林水産物は、前年比5.7%増の67億2,600万ドルだった。果物輸出全体の30%を占めるサクランボは13.1%増、15.2%を占めるブドウは10.8%減となった。果物の主な輸出先は中国(構成比:33.0%)、米国(22.8%)、オランダ(6.8%)の順だった。

工業品は、前年比15.5%増の292億8,400万ドルとなった。サーモンは22.3%増の48億5,700万ドルで、主な輸出先の米国(構成比:45.8%)、日本(16.6%)、ブラジル(13.7%)向けがそれぞれ増加しており、新型コロナウイルスの影響を受ける前の水準まで回復した。ボトルワインの輸出は2019年から2年連続で減少していたものの、2021年は前年比8.5%増の16億1,800万ドルと増加に転じた。

輸入を品目別にみると、中間財は前年比53.6%増の457億9,500万ドルだった(添付資料表2参照)。エネルギー製品の石油やディーゼルは前年比でそれぞれ85.6%増、55.7%増となった。液化天然ガスは、エネルギー製品の中で占める割合は12.1%にとどまるが、輸入金額は前年の2.1倍に増加した。

消費財は、前年比69.8%増の277億5,700万ドルだった。耐久消費財は、国内の消費活動の活性化に伴い、自動車が2.4倍、テレビが2.0倍、家電が2.1倍にそれぞれ増加した。また、半耐久消費財の衣類や履物は、どちらも2桁増となった。

資本財は、その構成比全体の4分の1を占めるその他の機械が前年比30.4%増、15.8%を占めるトラック、牽引車が2.3倍に増加したため、全体では40.0%増の182億9,100万ドルだった。

輸出を主要国別にみると、中国(構成比:38.8%)、米国(15.8%)、日本(7.7%)の順で、同3カ国向けの銅関連製品の増加に加えて、米国と日本向けは特にサーモンの輸出が増加した(添付資料表3参照)。

輸入を主要国別にみると、中国(構成比:29.9%)、米国(17.4%)、ブラジル(8.4%)の順で、中国からは携帯電話、自動車、テレビなどの耐久消費財の輸入が増加した。米国とブラジルからはエネルギー関連製品が増加しており、特にブラジルからはトラクターや自動車の輸入も増加した。

(岡戸美澪)

(チリ)

ビジネス短信 756b0303abd2b7f7