2021年にサプライチェーン関連のスタートアップ投資が急増、過去最高の336億ドルに、米調査会社発表
(米国)
ニューヨーク発
2022年03月02日
米国調査会社のCBインサイツは2月24日、世界のサプライチェーン・物流関連のスタートアップによる資金調達額が、2021年に過去最高の336億ドルに達したと発表
した。これは前年の181億ドルを大幅に上回り、2倍近くに増加している。
同社によると、2021年にはサプライチェーンテック関連のユニコーン企業が急増し、評価額10億ドル超のスタートアップ企業が過去最多となった。直近の2021年第4四半期で最も評価額が高かったユニコーン企業には、ウェブアプリケーションを通じて食料品宅配代行サービスを提供する米国のインスタカート、商品の配達を求める利用者と近隣のドライバーをマッチングするソフトウエアを展開する中国のララムーブ、自動運転技術を用いた無人配送車を開発する米国のヌーロ、国際物流の輸送手配から税関の手続きまで一連のプロセスをデジタル上で管理するためのデータベースを提供する米国のフレックスポートなどが挙がった。
また、2021年に新規株式公開(IPO)や特別買収目的会社(SPAC)で上場した企業は過去最多の18社と、前年比6倍になった。これら企業の中には、トラック業界の自動運転技術に特化したスタートアップ企業が多くみられた。グーグルの自動運転車開発プロジェクトの元責任者が創業したオーロラは、ソフトウエア、ハードウエア、データサービスを統合して乗用車、小型商用車、大型トラックの自動運転を可能にするプラットフォーム「オーロラドライバー」を開発しており、2023年から自動運転の大型トラックを用いた物流サービスを開始する計画だ。また、トラック向けの自動運転ソフトウェアを開発するエンバークスは、2024年の商用サービス開始を目指しているが、そのソフトウェアの購入予約件数が既に1万4,200件に上っていると報じられている。
米国では、トラックの運転手不足が深刻だ。全米トラック協会によると、トラックの運転手が全国で8万人不足しており、2030年には16万人に倍増する可能性がある。また、同協会は、貨物需要の増加、早期退職によるパンデミック関連の課題、教習所や陸運局の閉鎖などが運転手不足を加速させていると指摘している。大手コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーの分析によると、トラック業界は、自動化により物流コストを最大で40%、営業経費を45%削減することができるという。こうした背景から、トラック向けの自動運転技術の開発に取り組む新興企業が大きく注目されており、うまくいけば、トラック業界に8,000億ドル相当の変革を起こせる可能性がある。
(樫葉さくら)
(米国)
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