AIIB、ロシアとベラルーシ関連の活動の留保、再検討を発表
(ロシア、ベラルーシ、ウクライナ、中国)
中国北アジア課
2022年03月04日
ロシアのウクライナにおける軍事行動を踏まえ、アジアインフラ投資銀行(AIIB、本部:中国北京市、注)は3月3日、ロシア、ベラルーシに関連するAIIBの全ての活動を留保し、再検討すると発表した。「(現下の)状況下において、同行の利益を最優先に考慮した結果」としている。
AIIBは発表において、「AIIBは、国際条約によって設立された多国間組織。国際法の順守は同行の中核」としたうえで、「(今般の)情勢を積極的にモニタリングし、AIIBの業務や各加盟国・地域の経済への影響を評価している。経済や金融面における事態の進展を踏まえながら、AIIBの健全性を守るべく最大限の取り組みをしていく」方針を示した。
その上で、「AIIBはフレキシブルかつ迅速に融資を拡大し、直接的、間接的にマイナスの影響を受ける加盟国・地域を支援していく準備が整っている。コモディティ価格の変動の経済への波及性に加え、金融市場のボラティリティやその他の要素は、加盟国・地域の経済にマイナスの影響を与えるだろう。パートナーである他の多国間組織とも連携しながら、必要な支援を迅速に提供していく」としている。
(注)「アジアやその他の地域での持続可能なインフラへの投融資」をミッションとして2015年12月に設立。トップの総裁は金立群氏〔元中国財政部副部長、元アジア開発銀行(ADB)副総裁〕。加盟国・地域数は105で、ロシアは57の創設メンバーの1つ、ベラルーシは2019年1月に加盟。現時点において、AIIBは累計で168のプロジェクトに合計で330億6,300万ドルを投融資している。
(中井邦尚)
(ロシア、ベラルーシ、ウクライナ、中国)
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