2カ月で4,000件超のRCEP活用、中国などと輸出入で関税削減に効果

(日本、中国、韓国、ASEAN、オーストラリア、ニュージーランド)

アジア大洋州課

2022年03月22日

地域的な包括的経済連携(RCEP)協定を活用した輸出取引が急速に伸びていることが、このほど経済産業省が公開した2022年2月の第1種特定原産地証明書の発給状況外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますから明らかになった。経済産業省は、日本商工会議所のデータを基に毎月、企業が輸出取引に当たって利用する経済連携協定(EPA)別の第1種特定原産地証明書の発給件数を公開している(注1)。RCEP協定の同証明書の発給件数は2022年2月に3,450件で、1月の671件から5倍に増加した。1月と2月の合計は4,121件となった。主要なEPA協定の発効後2カ月間の同証明書の発給件数を比較(添付資料図参照)すると、統計として公開されている中で、これまで最も多かった日タイEPA(2007年11月発効)の1,976件に対して、RCEP協定は2倍以上で、過去最多となった。

中国などの輸出入で具体的な活用を予定・検討する事例も

ジェトロが3月10日に公開した国際ビジネス情報番組「世界は今 -JETRO Global Eye」では、RCEP協定の活用を予定する企業として、中国に対する食肉加工機械の輸出を取り上げた。ワタナベフーマック(愛知県名古屋市)によると、現在7.0%の関税率がかかる製品について、RCEP協定の発効後、段階的な関税削減を経て11年目に撤廃されることが分かり、大きなメリットを感じた。同社によると、RCEPの利用によって「最終的に7%の値上げをせずにすむと考えると、逆に大きな値引きにはなると考えられる」。また、中国や韓国から日本への輸入についての活用では、100円ショップのダイソーを運営する大創産業(広島県東広島市)が「輸入全体の大きな割合を占めているなか、RCEPを使うことによって減免税の効果が大きい」としている。

なお、RCEP協定における各国の譲許表(個別品目の関税の撤廃・削減の方法やスケジュールが定められた表)は、同協定の条文の付属書(Annex Ⅰ)に掲載されており、外務省のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますから確認が可能だ(注2)。

(注1)第1種特定原産地証明書は、日本国内の事業者がEPAを利用した輸出取引を行うに当たり、日本商工会議所に対して申請し、発給を受けるもので、「第三者証明制度」を採用するEPAで利用される。他方、輸出者や輸入者などが自ら原産地証明書を作成する「自己申告制度」のみを採用するEPA(TPP11、日EU・EPAなど)については、上記統計に含まれない。なお、RCEPでは、第三者証明制度に加え、認定輸出者もしくは輸出者による自己申告制度(輸出者による自己申告制度は協定発効時には日豪NZ間のみ適用可能)および輸入者による自己申告制度(日本への輸入時のみ適用可能)も採用されている。

(注2)各国ごとの付属書(Annex I Schedules of Tariff Commitments)は英文のみの掲載。日本の譲許表は日本語でも入手可能外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。RCEP協定活用の際の関税率の調べ方は「RCEP協定解説書(2022年2月改訂版)PDFファイル(12.0MB)」の第3章参照。

(山城武伸)

(日本、中国、韓国、ASEAN、オーストラリア、ニュージーランド)

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