AUなどがロシアの対ウクライナ軍事行動を批判、経済では食料価格上昇など懸念

(アフリカ、アルジェリア、ナイジェリア、南アフリカ共和国、ウクライナ、ロシア、欧州)

中東アフリカ課

2022年03月03日

ウクライナに対するロシアの軍事行動については、アフリカ連合(AU)をはじめ、ケニアや南アフリカ共和国などが非難と即時停戦を求める声明を発している。小麦など穀物の多くをロシアとウクライナから輸入するアフリカにとって、今回の危機で食料価格の上昇など大きな影響が出ることが懸念されている。ナイジェリアやアルジェリア、エジプトといった天然ガス産出国にとっては、ロシアに代わる供給地として欧州への輸出拡大の機会ともなるが、油価の上昇は非産油国で物価上昇を加速させ、新型コロナウイルス感染を経てようやく始まったアフリカ諸国の景気回復に水を差す恐れもある。

AUは2月24日、ロシアに即時停戦を促す声明を発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。また、ケニア、ガボン、ガーナも21日の国連安保理での演説で、ロシアの軍事行動を批判する声明を出した。南ア国際関係協力省(DIRCO)も24日、ロシアに対しウクライナからの即時撤退と平和的解決を求める声明を発した(2022年2月25日付南ア国営ニュース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。しかし、同国のシリル・ラマポーザ大統領は、経済的な結びつきの強いロシアに批判的なこの声明を事前に確認しておらず、政府の立場を反映していないと不満を抱いているとの報道も出ている。

一見して結びつきが少ないと考えられているロシアやウクライナとアフリカ諸国の経済関係だが、国際貿易センター(ITC)によると、アフリカ諸国は2020年にはロシアから約37億ドル、ウクライナから約25億ドルの穀物を輸入している。特に小麦については、ロシアから約36億ドル、ウクライナからも約15億ドルと穀物輸入の大半を占めている。干ばつの影響などにより、アフリカ諸国の食料価格は近年、上昇傾向にあるが、今回の危機がさらに拍車をかける恐れもあり、既にエジプトがルーマニアからの小麦輸入を発表するなど、供給元の多角化に向けた動きも出ている(2022年2月22日記事参照)。

欧州諸国が天然ガスの供給地多角化に迫られる中、ナイジェリアは欧州への供給増について「あらゆる選択肢」を検討することでEUと合意。2月27日にはアルジェリアも欧州向け供給増の準備があると明らかにしている。ガス産出国にとっては輸出拡大の機会となる一方で、油価は2014年以来となる1バレル100ドル超えを記録するなど急騰しており、非産油国にとっては、輸入コストの増大に伴う物価上昇が懸念される。

(梶原大夢)

(アフリカ、アルジェリア、ナイジェリア、南アフリカ共和国、ウクライナ、ロシア、欧州)

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