イングランド銀行が3会合連続で利上げを発表、年0.75%に
(英国)
ロンドン発
2022年03月18日
英国のイングランド銀行(中央銀行)は3月17日、政策金利を0.25ポイント引き上げて、年0.75%とすると発表した。同銀行は、労働市場の逼迫および継続的な物価上昇を考慮し、追加利上げを決定した。同日付の「ガーディアン」紙によれば、3会合連続の利上げは、20年余りで初めて(直近2会合の利上げについては2021年12月17日記事、2022年2月4日記事参照)。
ロシアによるウクライナ侵攻により、エネルギーや食料品価格が高騰し、インフレが加速している。イングランド銀行は、世界的なインフレが今後数カ月の間にさらに強まり、英国を含むエネルギー純輸入国の経済成長は鈍化する可能性が高いと予測している。さらに、消費者物価指数(CPI)について、2021年12月の5.4%から2022年1月には5.5%に上昇し、2022年第2四半期には8%、2022年後期にはさらなる上昇を見込む。エネルギーの先物価格の上昇が持続すれば、英国のガス・電力市場局(Ofgem、エネルギー部門の規制機関)の光熱費価格上限が再設定される2022年10月に、エネルギー価格が再び大幅に上昇する可能性があるとした。
今回の追加利上げは、ロシアのウクライナ侵攻などによるエネルギーやその他の商品価格の上昇が生活に打撃を与えるのを防ぐための策だ。金融政策委員会(MPC)は、インフレの中期的な見通しによっては、今後数カ月間でさらなる金融引き締めが必要になる可能性があるとしている。
他方、強いインフレ圧力にもかかわらず、イングランド銀行は将来の利上げについて、さらに年内に6回の利上げを予定している米国連邦準備制度理事会(FRB)よりも積極的ではない姿勢を示している(「ガーディアン」紙3月17日)。
(島村英莉)
(英国)
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