イングランド銀行が追加利上げを発表、量的緩和も縮小へ

(英国)

ロンドン発

2022年02月04日

英国のイングランド銀行(中央銀行)は2月3日、政策金利を0.25ポイント引き上げて、年0.5%とすると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

利上げは、2021年12月の前回会合(2021年12月17日記事参照)から、2会合連続。また、債券購入による量的緩和策についても、英国債と投資適格社債(注)の残高縮小に着手することを決定した。今なお続くインフレの過熱に対して、さらなる金融引き締めが必要、との判断に至った格好だ。

今回の追加利上げの背景にあるインフレ加速への懸念は大きい。昨今のエネルギー価格高騰や新型コロナウイルスに関する規制緩和に伴う需要増、原材料・労働者不足を要因に、2021年12月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.4%の上昇を記録した。イングランド銀行は、その後もインフレは続き、2022年4月には7.25%まで上昇すると試算している。

量的引き締めでは、英国債買い入れ枠8,750億ポンド(約136兆5,000億円、1ポンド=約156円)および投資適格社債買い入れ枠200億ポンドの総額8,950億ポンドの債券について、満期を迎える分については再投資を控え、残高を減少させていく。また、政策金利が少なくとも年1%に達した後は、経済情勢に応じて積極的な英国債の売却も検討するとした。

2月2日まで開かれていた金融政策委員会(MPC)では、政策金利について、投票権を持つ9人の政策委員のうち、アンドリュー・ベイリー総裁を含む5人が年0.5%への引き上げを支持した一方、残りの4人は年0.75%への引き上げを主張するなど、利上げ幅が争点となった。他方、量的引き締めについては、全会一致での賛成となった。

(注)債務不履行リスクが低いと考えられる信用力の高い社債。

(尾崎翔太)

(英国)

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