2021年第4四半期GDP成長率、前年同期比4.0%、鉱業部門は低迷

(ナイジェリア)

ラゴス発

2022年03月04日

ナイジェリア国家統計局が2月22日に発表した2021年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率は前年同期比4.0%で、2020年第4四半期から連続でプラス成長を維持した。2021年通年では3.4%のプラス成長となった(添付資料表参照)。

第4四半期の成長率を分野別でみると、石油をはじめとする鉱業部門はマイナス6.2%と、マイナス10.6%だった前期から引き続き低迷している。鉱業部門以外では、多くの産業でプラス成長を記録した。中でも農業(3.6%)、卸・小売り(5.3%)・情報通信(5.0%)、金融・保険(24.1%)が成長を牽引した。

鉱業部門が上向かない背景には、前年同期の産油量が日量156万バレル(コンデンセートを除く)で、前期の産油量が157万バレルだったのに対し、設備のメンテナンス不足や盗難行為によって、今期は150万バレルと下回ったことが考えられる。

民間企業振興センター(CPPE)のムダ・ユスフ氏は、2020年の新型コロナウイルス流行に伴う商品価格の暴落と、サプライチェーンの混乱、旅行制限、ロックダウンなどの影響から一転して、2021年には原油価格の回復や、渡航制限の緩和、ワクチン接種率の向上、ロックダウンの解除、政府による景気刺激策などが見られたと述べた。特に第4四半期は年末のクリスマス需要に伴う買い物や旅行などの支出が増加したことにより、経済成長を加速させたとした(「ガーディアン」紙2022年2月18日)。

(馬場安里紗)

(ナイジェリア)

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