2021年第4四半期のGDP成長率、前期比1.2%のプラス成長
(南アフリカ共和国)
ヨハネスブルク発
2022年03月17日
南アフリカ共和国統計局は3月8日、2021年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率(前期比、季節調整済み)をプラス1.2%と発表した(添付資料表1参照)。また、以前発表した第3四半期(7~9月)の成長率を0.2ポイント低いマイナス1.7%に下方修正した。
第4四半期の実質GDP成長率を産業別でみると、農林水産業(12.2%)、卸・小売り・飲食業など(2.9%)、運輸・倉庫・通信業(2.2%)、製造業(2.8%)、その他サービス(2.7%)がプラス成長に大きく貢献した。農林水産業では畜産物の生産量が増えたほか、製造業では牽引した。卸・小売り・飲食業では、自動車販売やケータリング・外食、観光・宿泊業が伸びた。2021年11月末から12月にかけて新型コロナウイルスのオミクロン株が猛威を振るったが、政府は規制強化をしなかったため、国内の経済活動が大きく停滞することを免れたとみられる。
需要項目別では、民間最終消費支出は2.8%増加した(添付資料表2参照)。総固定資本形成は、設備投資(6.7%)とその他資産(5.2%)の好調により、1.9%のプラス成長となった。財・サービスの輸出は8.5%増で、貴金属、輸送機器などの輸出が好調だった。
2021年通年の実質GDPは、2020年がマイナス6.4%だったところ、プラス4.9%だった。総固定資本形成については、2021年通年の成長率が2020年のマイナス14.9%から2.0%と増加し、過去5年間で初めてプラス成長に転じた。総固定資本形成がプラス成長したことについて、アレクサンダー・フォーブスのエコノミストは、依然として低い数値としながらも、今後、南ア国内に投資が戻ってくる可能性があると示唆した。
政府は今後の成長見通しを年率2.1%とし(2022年3月10日記事参照)、緩やかに経済が回復していくと予測している。一方、エコノミストらは、ロシアとウクライナの紛争によりエネルギー価格などの高騰やサプライチェーンへの影響が南ア経済に影を落とすと懸念している。
(堀内千浪)
(南アフリカ共和国)
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