ベトナム保健省、新規感染者数の公表中止を提案

(ベトナム)

ホーチミン発

2022年03月10日

ベトナム保健省は3月5日、毎日公表中の新型コロナウイルス感染者数について、感染状況の実態を反映していないとして、公表を取りやめることを新型コロナウイルス感染対策会議に対して提案した。3月6日付の保健省機関紙「健康と生活」やベトナムニュースなどが伝えた。

保健省は、毎日午後6時ごろ、最新の国内感染状況を公表している。その主な内容は、各省・市別の新規感染者数で、そのほかに、回復者数、ワクチンに関する状況、死者数などだ。同省は新規感染者数について、感染リスクを評価するための8つの指標(注)のうちの1つにすぎず、感染状況の実態を反映しないことから、公表継続による人々の混乱を避けるため、公表の中止を提案した。今後、新型コロナウイルス対策会議で提案について判断される。

保健省は、国内の新型コロナウイルスの感染リスクは2021年10月11日付の政府決議128号(128/NQ-CP)の下、基本的に管理できている、と評価。同省によれば、最近1カ月で、新型コロナウイルス感染者数自体は記録的に増加(1日5万~7万5,000人、最多で14万1,000人)しているが、多くは、ワクチンを接種していない12歳以下だ。また、1カ月前に比べ、重症患者数は37.6%増加しているが、1日当たりの死者数は約100人で、現在の医療体制により対応可能な水準に抑えられている。高リスクグループを含めて国内のワクチン接種を推進した結果、感染者1人当たりの死亡率は、直近30日間は0.2%で、1カ月前(1%)より大幅に低下した。

グエン・タイン・ロン保健相は3月5日の新型コロナウイルス対策会議で、ワクチン接種を最優先としつつ、「新型コロナウイルス感染症を一般的な病気と同様に取り扱うための措置を進める」と説明した。保健省では、新規感染者数の公表中止以外に、無症状の感染者や濃厚接触者に関する隔離や勤務条件などを提案した。また、ファム・ミン・チン首相は3月3日の月例会議で、新型コロナウイルス感染を「エンデミック」として扱うことについて検討するよう、保健省に指示していた(2022年3月9日記事参照)。

(注)8つの指標とは、(1)新規感染者数/10万人/週間、(2)酸素療法が必要な患者数/10万人/週間、(3)10万人当たりの1週間の死者数、(4)全人口のワクチン接種率、(5)高リスクグループのワクチン接種率、(6)対応可能な感染者数/万人、(7)新型コロナウイルス対応病床数/10万人、(8)10万人当たりのICU(集中治療室)病床数。

(比良井慎司)

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