米南部石油・ガス生産事業者の第1四半期の活動水準は大幅拡大

(米国)

ヒューストン発

2022年03月29日

米国テキサス州のダラス連邦準備銀行は3月23日、同銀行が管轄する地域(テキサス州、ルイジアナ州北部、ニューメキシコ州南部)に本社または事業所を置く石油・ガスの生産事業者および油田・ガス田サービス事業者に対して行った、各社の活動状況に関するアンケート結果を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。調査期間は3月9~17日。アンケートに回答した事業者の総数は141事業者で、内訳は91の生産事業者と50のサービス事業者だ。

各社の事業活動水準全般を示す指数(「拡大」と答えた割合から「縮小」と答えた割合を引いたもの)は、2021年第4四半期の42.6から2022年第1四半期は56.0に急上昇し、直近6年の調査での最高水準を記録した。

生産事業者の経営陣によると、石油生産の増加ペースが速まったとしている。石油生産量指数は、2021年第4四半期の19.1から2022年第1四半期は45.0へと大幅に上昇した。同様に、天然ガス生産指数も14ポイント上昇し、40.0となった。

コストは5四半期連続の上昇となった。サービス事業者への質問では、投入コスト指数が 69.8から77.1に上昇し、過去最高となった。回答したサービス事業者50社のうち、今期の投入コストが低下したと回答したのは1社のみだった。生産事業者への質問では、探鉱・開発コスト指数が2021年第 4 四半期の44.9から2022年第1四半期は56.0に上昇した。また、リース営業費用の指標も42.0から58.9に上昇した。両指数とも調査開始以来6年ぶりの高水準となった。

サービス事業者への質問では、全ての指標で改善がみられた。設備稼働率は引き続き高い水準にあるものの、2021年第4四半期の51.1から2022年第1四半期は50.0へと小幅に低下した。営業利益率は11.6から21.3へ上昇した。サービス価格指数は30.3から53.2へ上昇し、過去最高を記録した。

2022年第1四半期の労働市場指数は全て過去最高を記録し、雇用、労働時間、賃金の力強い伸びを示唆した。雇用指数は5年連続でプラスとなり、11.9から28.0に上昇した。労働時間指数は18.0から36.0に上昇した。賃金・給付金指数も36.6から54.0に上昇した。

6カ月後の見通しも大幅に改善し、前期の53.2から76.3と過去最高を記録した。先行き不透明感指数もマイナス1.5から31.9に急上昇し、今期は不透明感がより顕著になったことを示唆している。

(沖本憲司)

(米国)

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