三菱自動車、インドネシア企業と軽商用EVで物流などの実証実験へ

(インドネシア)

ジャカルタ発

2022年03月22日

インドネシアで三菱自動車の自動車を販売するミツビシ・モータース・クラマ・ユダ・セールス・インドネシア(MMKSI)は3月14日、オンライン配車・配送サービス大手ゴジェックを含む現地企業4社と軽商用電気自動車(EV)の実証実験に関する覚書を締結したと発表した(同社プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。実証実験は半年間、ジャカルタを中心に行う予定で、走行距離や充電記録、配送ルートなどのデータ集積を行い、EVの商用利用に向け検証を進めていく予定だ(注1)。

MMKSIが覚書を締結したのは、国営郵便会社ポス・インドネシア、送配電業のハレヨラ・パワー、物流会社DHLサプライヤーチェーン・インドネシア、ゴジェックの4社だ。なお、三菱自動車は三菱商事とともに2019年、ゴジェックに出資している。同実証事業では、三菱自動車が日本で2011年に投入した「ミニキャブ・ミーブ」を提携4社に提供、物流業務で使用する予定だ。中村直哉MMKSI社長は「この実証実験により、インドネシアでのEV開発と、ゼロ・エミッションへ引き続き貢献したい」としている。

写真 実証用の軽商用EV(MMKSI提供)

実証用の軽商用EV(MMKSI提供)

同実証実験に参加するゴジェックは、2021年4月に作成した「サステナビリティーレポートPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」で、2030年までに同社のサービスを通じて利用される全ての四輪車・二輪車をEVや電動バイクに転換する方針だ。一方、EVは内燃機関車と比較した際に、総所有コスト(TCO、注2)が高く、航続距離や充電時間などの懸念にも対応するため、日本企業や国営企業と連携し、解決策を見いだすとしている。

相次ぐEV商用化に向けた取り組み

タクシー大手ブルーバードは中国のBYD、米国のテスラ、日本のトヨタと連携し、2019年からEVタクシーの導入を行っている。トヨタ自動車も2021年3月からEV普及やEV活用を通した観光地支援を検証する取り組みをバリ島などで実施している。

(注1)ゴジェックは半年以上の実証試験を実施予定。

(注2)設備資産の購入から廃棄までに必要な時間と支出の総計。

(上野渉)

(インドネシア)

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