ロシアの軍事侵攻受け、ブラジル国内初の企業レベルの経済制裁へ、政府は中立を維持

(ブラジル、ロシア、ウクライナ)

サンパウロ発

2022年03月08日

ブラジル政府は3月2日、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて開催された国連総会の緊急特別会合で「ロシアに対して軍事行動の即時停止を求める決議案」に賛成票を投じた。

ロシアに対するブラジル政府や企業の対応に注目が集まる中、3月3日付の現地政府系メディア「アジェンシア・ブラジル」は、ジャイール・ボルソナーロ大統領がウクライナおよびロシアとの関係について、同日のソーシャルメディアのライブ放送で「ブラジルはバランスの取れた立場を維持する。この問題をブラジル単独で解決することは難しいが、可能な限り平和のために尽力する。戦争は両国いずれにも、ましてやその他世界の国々にも利益をもたらさない」と述べ、具体的な制裁の意向を示していないと報じた。

企業の動きでは、航空機大手エンブラエルがロシア企業に対する制裁措置を発表したと現地紙が報じた。3月2日付「CNNブラジル」は、エンブラエルが航空機を販売したロシアの顧客に対しメンテナンスサービスと航空機関連部品の販売を停止したと報じている。対象には、エンブラエルの航空機を17機有しているロシアのS7航空などを含むという。ブラジル企業で初めてとなる具体的な対ロシア企業への制裁措置となった。3月2日付現地紙「グローボ」によると、在ブラジリアのアナトリ・チカキ・ウクライナ臨時代理大使は、世界の安全に向けてブラジルがロシアとの貿易関係を断ち切る必要性に触れつつ、「国家レベルが難しければ、企業レベルの協力でも良い」との返答を行った。

なお、ロシアは肥料の供給国であり、大豆などの生産規模が大きいブラジルにとってロシアとの関係悪化が懸念される(2022年2月24日記事参照)。ブラジル農業・畜産・供給省(MAPA)は3月2日、「2022年10月ごろまでに必要な肥料は確保されている」としながらも、ロシアやベラルーシからの供給量が減少した場合に備えて「新たなパートナーの開拓に努めている」と述べた。肥料の国産化を推進する国家肥料計画の早期制定にも意欲を示している。

(古木勇生)

(ブラジル、ロシア、ウクライナ)

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