サウジアラビア政府、ウクライナ問題によるエネルギー市場への影響を懸念

(サウジアラビア、ウクライナ)

リヤド発

2022年03月01日

ウクライナに対するロシアの軍事行動開始から数日が経過したが、2月28日時点で、サウジアラビア政府からは目立った批判やコメントは発表されていない。

欧州主要国との間では、2月25日にファイサル・ビン・ファルハーン外相が英国のエリザベス・トラス外相から、27日にムハンマド・ビン・サルマン皇太子がフランスのエマニュエル・マクロン大統領から、それぞれ電話を受けて会談を行っている。マクロン大統領との会談については、2月28日付サウジアラビア国営通信(SPA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが「最新の域内・国際情勢と、特に国際平和と安全保障の促進への努力に加え、ウクライナ情勢およびウクライナ情勢がエネルギー市場へ与える影響について話し合われた。ムハンマド皇太子は会談において、石油市場の安定とバランスに対する意欲と、OPECプラスの合意へのサウジアラビアの貢献を確認した」と報じているが、直接的な軍事行動への批判などには言及されていない。

ロシアはサウジアラビアにとって、原油市場価格の推移に大きな影響を与えるOPECプラスで主要な役割を果たしている相手国ということもあり、サウジアラビア政府としては、ロシアの軍事行動に対する直接的なコメントを差し控えている可能性がある。

(柴田美穂)

(サウジアラビア、ウクライナ)

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