2021年第4四半期の失業率が7%に改善

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2022年03月29日

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)は3月23日、2021年第4四半期(10~12月)の世帯アンケート(EPH)に基づく労働力調査の結果を発表した。今回の調査結果によると、完全失業率は7.0%で、前期比で1.2ポイント減、前年同期比4.0ポイント減と大幅に改善した(添付資料表参照)。

労働力人口比率(注)は46.9%、就業率は43.6%でいずれも前期に比較して改善した。工業生産・開発省管轄の生産研究センター(CEP)は「今回の調査結果によると、2019年末以降、約65万人の雇用が創出され、新型コロナウイルスのパンデミック以前よりも雇用環境が回復している」と指摘した。

2021年第4四半期の完全失業率を男女別にみると、男性が6.4%で前期比1.3ポイント、女性は7.7%で1.3ポイント改善した。性別年齢階層別にみると、14歳から29歳までの女性が16.2%で1.8ポイント改善したものの、依然として高い水準だ。同世代の男性は13.5%で3.1ポイント改善した。

他方、3月23日付現地紙「エル・クロニスタ」電子版は、民間調査会社のギディーニロディルの分析を用いて、「統計上の改善はみられるものの、雇用環境は回復していない」と報じている。これは、業種によって状況が大きく異なるためで、例えば、ファイナンスやテクノロジー、アグリビジネス、医薬品などの分野は活発だが、工業全体における雇用創出は活気を取り戻していないとの見方だ。また、「テクノロジーや医療関連分野で人材を求めても、適切なスキルを有する人材が見つからない」のが実態だとしている。さらに、「構造改革なくしては雇用環境が停滞、または悪化していく」との見通しだ。

(注)全人口に占める就業者と完全失業者を合わせた人口の割合。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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