スウェーデン、ウクライナ情勢の国内経済への影響を発表
(スウェーデン、ウクライナ、ロシア)
ロンドン発
2022年03月16日
スウェーデン政府は3月10日、ロシアのウクライナでの軍事侵攻に伴うスウェーデン経済への影響について発表した。
ウクライナとの関係では、現在約90社のスウェーデン企業が同国に進出、大きな打撃を受けており、多くの企業が事業を停止しているとした。貿易については、ウクライナがスウェーデンの輸出入全体に占める割合は1%未満のため、大きな影響を受けていないが、企業によっては原材料輸入の制限や売り上げ減少などの影響を受ける可能性があるとした。
ロシアとの関係では、約500社のスウェーデン企業が同国で活動。スウェーデンの輸出に占めるロシアの割合は1.3%と少なく、スウェーデンの主なエネルギー源は国内にあり、ロシアの天然ガスへの依存度が低いため、ロシアのエネルギー輸入への依存度も低いとした。一方、依然としてスウェーデンの企業や消費者はエネルギー価格高騰などの影響を受ける可能性があるとした。
また、同政府は3月14日、エネルギー、電力価格高騰に関し、国内向けの経済的措置についても発表した。主な措置としては、ディーゼルやガソリンの一時減税、車の所有者へ燃料費の補助、電気自動車の購入補助などを導入するとしている。
また10日には、2022年の国防予算を対GDP比2%に増加する計画を発表。近隣国ロシアとの緊張の高まりを受けた措置で、2021年の対GDP比1.3%から0.7ポイント増となる(ロイター3月10日)。
主要なスウェーデン企業の動きとしては、音楽ストリーミングサービスのスポティファイ(Spotify)が2日、ロシア拠点の閉鎖を発表した。また、世界中の利用者に信頼ある情報を提供するため、同社のプラットフォームに関するガイドラインを発表したほか、ロシアのメディアであるRTとスプートニクのコンテンツについても削除するとした。
首相官邸は3月13日、マグダレーナ・アンデション首相が14、15日にロンドンでデンマークやフィンランド、英国などの首脳と欧州の安全保障の状況やウクライナへの支援、ロシアの軍事侵攻への対策について議論すると発表した。15日にはボリス・ジョンソン英首相と会談し、両国の協力関係について議論した。
(島村英莉、篠崎美佐)
(スウェーデン、ウクライナ、ロシア)
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