湖北省が「湖北省医薬産業『14・5』発展規画」発表、武漢や宜昌に産業園建設

(中国)

武漢発

2022年03月10日

中国・湖北省経済情報化庁は2月16日、2021年から2025年を対象とする「湖北省医薬産業『14・5』発展規画」(以下、「規画」)を発表した。湖北省での医薬産業の質の高い発展を加速するため、国内で重要な影響力を持つ医薬産業の集積地の造成を目的とし、「産業規模の急速な拡大」「イノベーション能力の持続的な強化」「中核企業の成長促進」「医薬品供給能力の大幅な向上」「エコシステムの継続的な最適化」などについて、2025年までの具体的な目標を掲げている(添付資料表1参照)。

「規画」では、湖北省の医薬産業の発展のために、「化学医薬品」「バイオ医薬品」「現代漢方薬」「医療機器」「医療防護物資、薬用補助材料およびその包装材」の5分野を重点とし、今後の方針と2025年までの具体的な目標をそれぞれ示している(添付資料表2参照)。そのほか、「規画」の実現のために、湖北省内に「1+1+N」とよばれる地理的な協力枠組みを構築することも示されている。「1」は武漢市の「湖北医薬産業イノベーション核心区」を、もう1つの「1」は宜昌市の「湖北医薬製造業先行モデル区」を、「N」は湖北省各地につくられる医薬産業園区を指す。それぞれの産業チェーンの優位性を生かし、共同発展を推進することを目指す。

武漢市のハイテク産業との協同に期待

医薬品関連産業の育成に当たっては、武漢市のIT、ストレージデバイス、航空・ロケット、デジタル経済分野などのハイテク企業との相乗効果も期待されている。武漢市の「光芯屏端網」(注)産業があつまる「中国の光谷(Optical Valley)」と呼ばれる、武漢東湖新技術開発区を管理する武漢東湖新技術開発区管理委員会は「わが省の医薬企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を加速し、第5世代移動通信システム(5G)、ビッグデータ、人工知能(AI)、ブロックチェーン(分散型台帳技術)などの情報技術を新薬開発、病気の診断、画像解析などの分野で応用し、医薬業界全体のデジタル化、ネットワーク化、インテリジェント化の向上を進めていく」との見方を示した(「中国光谷」2月28日)。

(注)光通信、メモリーなど半導体、新型パネルディスプレー、スマート端末、次世代ネットワークの総称。

(楢橋広基)

(中国)

ビジネス短信 2a1202bffcbb0de6