ルーマニア国会がロシア非難決議採択、難民50万人受け入れ、ウクライナに軍需物資の追加支援も

(ルーマニア、ウクライナ、ロシア)

ブカレスト発

2022年03月02日

ルーマニアの3月1日付「ナインオクロック」紙は2月28日、ルーマニア両院議会でロシア非難決議が賛成339票、反対1票、棄権2票で採択されたと報じた。ロシアによるウクライナへの軍事行動を非難し、ロシア軍の撤退、ウクライナの主権と領土保全のほか、ウクライナがNATOとEUに加盟することを支持したもの。同紙に掲載された宣言文全文には、2008年にブカレストで開催されたNATO首脳会議でルーマニアはウクライナのNATO加盟支持を表明しており、ルーマニア議会はEU加盟国の中で初めてEU-ウクライナ協議合意(the European Union - Ukraine Association agreement)を批准したなど、一貫してウクライナを支持してきたと記された。

ルーマニアではウクライナからの難民受け入れも進んでいる。同紙は、2月26日深夜までに約4万7,000人がウクライナからルーマニアに入国し、うち2万2,785人が西側諸国に再出国、残る約2万5,000人がルーマニアにとどまっており、102人が難民申請しているとの、ダン・カルブナル報道官の27日の発表を引用した。当面は50万人の難民を受け入れられるとしている。同紙はさらに、市民や経済・ボランティア団体などからは27日早朝までに食料、水、医薬品、宿泊、輸送など1,269件の支援申し出があったとの同報道官による言及を紹介した。同紙によると、ルーマニアとウクライナの国境線はEU加盟国の中では最長で、モルドバを挟んで北方と、また黒海沿いの東部でも接しており、道路、鉄道、河川など通常でも19カ所の入出境口がある。

同紙はさらに、軍事支援面では支援第2弾として、燃料、防弾チョッキ、ヘルメット、弾薬など軍需物資、食料、水、医薬品など合計300万ユーロ相当を支援するとした。また、国内11カ所の全ての軍病院で、負傷したウクライナ兵を収容するという。

同紙によると、クラウス・ヨハニス大統領は2月28日、ベルギーのアレクサンドル・ド・クロー首相と協議した際、ベルギーが300人の部隊をルーマニアに派兵することに謝意を述べた。ルーマニアに派兵したのは米国、フランスに次いで3カ国目となる。

(西澤成世)

(ルーマニア、ウクライナ、ロシア)

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