3月1日から無症状の新型コロナ濃厚接触者は条件付きで隔離不要に

(マレーシア)

クアラルンプール発

2022年03月02日

マレーシアのカイリー保健相は2月24日、新型コロナウイルス感染者の濃厚接触者に対する措置を緩和した。18歳以上の追加接種(ブースター接種)完了者で無症状の場合、3月1日から自宅での隔離が不要となった。従来は、症状の有無にかかわらず5日間の自宅隔離が必要だった。マレーシアの日系企業では、新型コロナウイルス感染再拡大で人手不足が深刻化している。今回の濃厚接触者に対する措置の緩和は、問題の解決につながると期待される。

自宅隔離が不要となるのは、上記条件に加えて、濃厚接触者と判定された日から1日目と3日目の抗原検査で陰性の場合に限られる。無症状でも、ブースター接種を未実施の場合には5日間の自宅隔離が必要だ(保健省Twitter参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

ブースター接種の実施期限を3月31日まで延長

カイリー保健相は同日、60歳以上の高齢者やシノバック製ワクチンの2回接種者に対するブースター接種の実施期限を3月31日まで1カ月延長した(「スター」紙2月25日)。従来、これらの対象者は2月中にブースター接種を行わなければ、3月1日以降「ワクチン接種完了ステータス」が失効するとしていた。

マレーシアで18歳以上のブースター接種率は61.1%(2月24日時点)にとどまっている。このステータスを失うと、さまざまな施設への入場が制限されることから、日系産業界は従業員の行動が制限されるとして問題視していた。

なお、地元報道によると、マレーシアの水際対策については、シンガポールとの隔離なし往来の枠組み「ワクチン・トラベル・レーン(VTL)」の運用を拡大(注)するとともに、ブルネイやタイとの間でもVTLの開始で合意している。

(注)2月22日以降、従来50%としていた定員上限を撤廃。ペナンやサバ州コタキナバルとの空路にも適用を拡大する見込み。

(吾郷伊都子)

(マレーシア)

ビジネス短信 1a022c5ab488c141