高雄メトロ「黄線」建設に関する総合計画が承認

(台湾)

中国北アジア課

2022年03月25日

台湾の蘇貞昌行政院長は3月20日、高雄メトロ「黄線(イエローライン)」の建設に関する総合計画を査定・承認したことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。高雄市捷運局によると、2022年末までに着工し、2028年末の開通を目標にしているという(「中央社」3月20日)。

今回承認されたイエローラインは全長約23キロ、路線内に23の駅と1機廠(きしょう)(車両メンテナンスなどの拠点)を含む地下鉄路線。沿線には6つの行政区が含まれ、人口は116万人。路線は2種類の系統を含み、鳥松区の神農路を起点として、大埤路、澄清路、本館路、建工路、民族路、民権路を経由し三多五路へ向かう系統と、神農路~澄清路、国泰路、南京路、五甲路を経由し鎮中路前鎮区公所へ向かう系統とする予定(路線図は高雄市捷運局ウェブサイト参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。沿線には、学校(大学、高校を合わせた学生総数は約5万4,000人)、亜洲新湾区(注1)、行政施設や病院があり、1日当たりの輸送量は2031年に16万6,000人と見込んでいる。総建設費用は1,440億3,700万台湾ドル(約6,050億円、1台湾ドル=約4.2円)で、台湾当局が833億8,200万台湾ドル、高雄市政府が608億5,500万台湾ドルを負担する(「中央社」3月20日)。

蘇院長は、将来的に既存路線(注2)とイエローラインの4路線をつなぐことで、公共輸送サービスのメリットを拡大できる、と述べた。また、計画の内容に対しては、台湾最大の漁港である前鎮漁港までのイエローライン路線延長の検討を要請した。さらに、同漁港における漁獲売買、卸売り、観光客の出入りなどの利便性向上のため、現時点で2028年末開通としている建設スケジュールについては、関連する用地取得と管理作業期間および工程を加速させるよう要請した。

(注1)高雄港および周辺の再開発地区。区域内では高雄展覧館、高雄巿図書館総館、高雄港旅客センター(高雄港埠旅運中心)や、5G AIoT イノベーションパーク(5G AIoT 創新園区)などが建設されている。

(注2)高雄メトロでは現在、紅線(レッドライン)、橘線(オレンジライン)、ライトレールの高雄環状軽軌を運行している。高雄環状軽軌は2021年末までに、C1籬仔内~C20台鉄美術館、C32凱旋公園~C37輕軌機廠までが開通済み(一部試験開通含む)。

(柏瀬あすか)

(台湾)

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