済南市、自由貿易試験区での貿易投資円滑化に向けた措置発表

(中国)

青島発

2022年03月03日

中国山東省の済南市政府は「中国(山東)自由貿易試験区済南市エリアの貿易投資分野での円滑化に向けた改革・イノベーションに関する若干の措置」を1月20日に発表した(添付資料表参照)。措置は、2019年に設置された中国(山東)自由貿易試験区の済南市エリアを対象とし、「貿易」「投資」「国際物流」「金融サービス」「法務サービス」の5分野での円滑化に向けた取り組み方針を示した(2019年9月3日記事参照)。

「貿易分野での円滑化」では、越境ECを利用した日本と韓国からの薬や医療機器の輸入・販売について、ポジティブリストによる管理の検討、日本と韓国からの輸入化粧品を中国国内市場で販売する際の手続きの簡略化などを示している。

「投資分野での円滑化」については、「中日国際医療科技園」建設に対するサポートなどが挙がっている。中国紙「済南日報」は2021年10月13日、「中日国際医療科技園」の初の国際的な科学研究協力プロジェクトとして、同月に済南市中央病院と東レが透析治療を中心とした研究開発などを目的としたプロジェクト開始したことを報じている。

このように、措置では上記の2つの項目で、特に日本と韓国を想定した具体的な措置を挙げていることから、済南市政府と山東省政府も両国との経済関係を重視していることがうかがえる。

措置の対象となった同自由貿易試験区の済南市エリアには、ラオックスが倉庫を構えており、日本から輸入した商品を倉庫に保管、越境ECを活用して販売している。現地企業へのヒアリングによると、エリア内には、日本産化粧品などの取り扱いに意欲を持つ他のEC越境事業者もいる。今回の措置には、日本の医療関連商品、医療機器、化粧品を輸入・販売する際の利便性向上が掲げられていることからも、具体的な手続きについての細則などの発表が待たれる。

(西島和希)

(中国)

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