米ロサンゼルス市、7月から最低賃金を時給16ドルへ引き上げ

(米国)

ロサンゼルス発

2022年02月09日

米国ロサンゼルス市は2月3日、最低賃金を7月1日から時給15ドルから16.04ドルへ引き上げると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。最低賃金の引き上げはロサンゼルス都市部の消費者物価指数の上昇に伴う措置で、事業規模に関係なく全ての事業所が対象となる。

米労働省の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2021年のロサンゼルス都市部賃金労働者用の消費者物価指数(CPI-W)は前年比6.6%と大幅に上昇し、2017年の2.9%、2019年の2.7%を超える高い伸び率となっている。ロサンゼルス市は今回の最低賃金の改定以降も、賃金労働者用消費者物価指数の動向に合わせ、毎年見直しを行うとしている。

米国では、連邦政府や州政府、市がそれぞれ最低賃金を定めており、それらが異なる場合は、雇用主は最も高い基準に従うことになる。

カリフォルニア州の従業員26人以上の事業所の最低賃金は、2022年1月から時給15ドルへと引き上げられている(2021年6月29日記事参照)。

ロサンゼルス近郊では、観光スポットとして知られるウェストハリウッド市でホテル従業員の最低賃金が2022年1月から17.64ドルへ引き上げられており、2023年には業種や事業規模を問わず全ての事業所に対し18.86ドルへの引き上げが予定されている。

米国では、足元で消費者物価が急激な上昇局面にある(2022年1月13日記事参照)。CBSニュースと調査会社ユーガブが新型コロナウイルス禍が続く中で実施した連邦最低賃金に関わる世論調査(注)では、71%が最低賃金が低いと回答しており、家計の購買力を維持するため賃金上昇の圧力が強まっている。

(注)実施時期は2021年8月10~16日。対象者は全米の成人1,566人。連邦最低賃金は時給7.25ドル。

(サチエ・ヴァメーレン)

(米国)

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