2021年の空路での外国人旅行者数、前年比77%増の1,409万人、米国人は倍増

(メキシコ)

メキシコ発

2022年02月17日

メキシコ内務省は2月10日、2021年の空路でのメキシコへの外国人旅行者数が前年比77.6%増の1,409万人だったと発表した。メキシコは新型コロナウイルス感染拡大の当初から一貫して門戸を閉ざすことなく、外国人旅行者を受け入れており、旅行者への事前のPCR検査や抗原検査、入国後の隔離措置も行っていない。こうした入国制限がほとんどない同国は、外国人の旅行先として選択されている。

到着空港別のランキングを見ると、最大観光地のキンタナロー州カンクンが前年比約2倍の約643万人と、全体の45.6%を占めた。次いで、メキシコ市国際空港(AICM)が64%増の約268万人、カンクンと同様にリゾート地として有名な南バハカリフォルニア州ロス・カボスが91.4%増の172万人だった。上位25空港の中で前年より減少したのは、太平洋岸の4都市(マサトラン、シワタネホ、ウアトゥルコ、アカプルコ)のみだった(添付資料表1参照)。カンクン、メキシコ市、ロス・カボス、プエルト・バジャルタ(ハリスコ州)、グアダラハラ(ハリスコ州)の上位5都市が外国人旅行者数の9割を占めた中、メキシコ市とグアダラハラを除く3都市は観光レジャーが最大産業であることから、旅行者の6割以上が観光目的の入国だったことが分かる。

国籍別の入国者数では、米国人が全体の72.7%を占め、前年比約2倍の1,024万人だった。カナダ人は2020年と同様に第2位だったものの、約50万人と前年比で半減した。他方、コロンビア人(約45万人、2.7倍)、ブラジル人(約32万人、2.4倍)、ベネズエラ人(約19万人、4.7倍)といった南米からの旅行者が急増した(添付資料表2参照)。カンクンは従来、米国からの旅行者の主なバケーション地ではあったが、米国で新型コロナウイルスワクチン接種が早期から進められ、2021年3~8月では接種完了者数が世界1位となったことが、米国からの渡航を推し進めた要因の1つと考えられる。

旅行者がメキシコ滞在中にどれほど支出したかを表す目的別平均支出額では、「レジャー」が1人当たり年平均1,270ドルと、最大かつ月別でも支出額にばらつきがない。「修学」が1,004ドルと第2位だったが、1月、5月、9月のセメスター開始時期に支出額の偏りがあった。「ビジネス」は737ドルと、レジャー目的の58%にとどまった(添付資料表3参照)。

写真 カンクン空港で米国行きのフライトを待つ観光客(ジェトロ撮影)

カンクン空港で米国行きのフライトを待つ観光客(ジェトロ撮影)

(志賀大祐)

(メキシコ)

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