バイデン米政権、ウクライナへ最大10億ドル債務保証を表明、大統領は「侵略可能性は十分残る」

(米国、ウクライナ、ロシア)

ニューヨーク発

2022年02月16日

米国務省のアントニー・ブリンケン長官は2月14日、ウクライナに対して最大で10億ドルの債務保証を提供すると表明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。ロシアがウクライナとの国境沿いで軍備を増強し、ウクライナの経済情勢が不安定化する中、G7やIMFと足並みをそろえた支援だとしている。

米国は2014年に起きたロシアによるクリミア半島の併合を受けて、同年から2016年までウクライナに同様の債務保証を合計30億ドル提供した。これらの支援が同国の経済安定化と経済改革の後押しにつながったとしている。その他、2014年以降に総額20億ドル超の開発支援も実施している。今後は債務保証に加え、ウクライナが米国製品・サービスを調達できるように、米国輸出入銀行を通じて最大で30億ドルの支援を行う予定とした。

同日にはG7財務相も共同声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしており、ウクライナへの経済的支援について結束を表明している。また、ロシアがウクライナに侵攻した場合、ロシア経済に甚大かつ即時的な結果をもたらす経済・金融制裁を集団的に発動する用意があると述べている。

米連邦議会でのウクライナ支援・対ロ制裁法案の調整は難航

米連邦議会上院では1月以降、ウクライナ支援・対ロ制裁法案の調整が本格化しているが(2022年2月3日記事参照)、民主・共和両党間の意見の相違が浮き彫りになっている。ロシアからドイツへ天然ガスを輸送する「ノード・ストリーム2」に対する制裁について、いつ、どの程度の規模で発動するかが最大の争点になっているもようだ(「ウォールストリート・ジャーナル」紙電子版2月15日)。

上院では、法案が可決できなかった場合でも、2月19日から1週間以上の休会に入る。このように時間的な猶予がない中、大統領は既に制裁発動に係るあらゆる権限を有しているとの理由から、上院としてウクライナへの支援を表明する法的拘束力のない決議を採択する案が出ている。法案策定の中心人物のボブ・メネンデス上院外交委員長(民主党、ニュージャージー州)は「なんとか両党合意の下で制裁法案を本会議に持ち込むか、休会前に上院として最低限ウクライナへの支援を表明するかのどちらかだ」と発言している(ブルームバーグ2月14日)。

こうした中、ジョー・バイデン大統領は2月15日、ウクライナ情勢に関して会見し外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、ロシアが軍隊の一部をウクライナとの国境沿いから撤退したとの情報について、「確認できていない」「侵略の可能性は十分に残っている」と述べた。その上で、侵攻を食い止めるためにあらゆる外交手段を駆使する考えを示した。

(磯部真一)

(米国、ウクライナ、ロシア)

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