新型コロナとの共生計画を発表、陽性者の隔離義務撤廃へ
(英国)
ロンドン発
2022年02月22日
英国のボリス・ジョンソン首相は2月21日、イングランドにおける新型コロナウイルスとの共生計画を発表した。24日から段階的に陽性者の隔離義務などを含む新型コロナウイルス関連の法的措置を終了・撤廃する予定で、計画は以下の4つの柱。
○国内規制を撤廃する一方、他の感染症に関する従来の管理方法と同様、安全に向けた行動を公衆衛生上の勧告を通じて奨励。
○その他のウイルス同様、薬学的介入や検査を通じた脆弱(ぜいじゃく)な人の保護。
○調査、監視の継続的な実施、緊急時対応計画、緊急時の大規模ワクチン接種や検査などの主要な対応の再導入などを通じた、将来の変異株発生に対するレジリエンスの維持。
○ライフサイエンスへの投資など新型コロナ対応の中で生まれるイノベーション、機会の確保。
また、主な今後のスケジュールは以下のとおり。
【2月24日以降】
- 陽性者の隔離義務撤廃。ただし、5日目以降の検査で2日連続陰性が出るまでの隔離を引き続き勧告。
- 接触者追跡の終了。また、濃厚接触者となった場合のワクチン接種未完了者の隔離義務、接種完了者の7日間の毎日の検査実施推奨も終了。
【3月24日以降】
- 法定疾病手当て(SSP)や雇用・支援手当(ESA)の支給要件における新型コロナウイルス関連条項の削除。今後は新型コロナウイルス感染の場合も通常の要件を満たした場合にのみ手当が支給される。
【4月1日以降】
- 一般向けの無料検査提供を終了。
- 雇用主に対する、職場におけるリスク評価で新型コロナウイルスを明示的に考慮すべきとする要件を削除。
- 他者との接触を最小限に抑えるための陽性者向けガイダンスの更新。
イングランドへの渡航規制についても、原則として、渡航への影響を最小限に抑えるような緩やかな措置をとる方針とした。新型コロナに伴う脅威の性質や感染源に応じた機動的な危機対応措置も準備はするものの、厳しい条件を満たす場合にのみ導入するとした。措置の詳細については4月中旬までをめどに発表予定としている。
計画には追加のブースター接種についての方針も盛り込んだ。予防接種・免疫合同委員会(JCVI)の提言を条件に、2022年春に、特にリスクの高い層、秋に重症化リスクの高い脆弱な層への追加接種を実施予定とした(注)。
(注)JCVIは21日、追加接種に関する提言を発表。75歳以上、介護施設入居者、12歳以上の免疫不全者に対し、最後の接種から6カ月を経過していることを条件に、春に追加接種を行うことを推奨するとした。秋以降も重症化リスクの高い脆弱な層への接種についても推奨する可能性が高いとしている。
(山田恭之)
(英国)
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