習国家主席がモンゴル首相と会談、中国企業のモンゴル投資を促進

(中国、モンゴル)

北京発

2022年02月10日

中国の習近平国家主席は2月6日、北京市でモンゴルのロブサンナムスライ・オヨーンエルデネ首相と会談した。中国外交部の同日の発表によれば、習国家主席は両国の関係強化は双方の根本的かつ長期的な利益にかなうものとし、相互信頼、友好、協力の深化と、両国の全面的戦略的パートナーシップを新たな段階に押し上げることを願うと述べた。前日の2月5日には、李克強首相とオヨーンエルデネ首相の会談が行われた。

会談終了後には共同声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが発表された。同声明における経済面での主な協力内容は以下のとおり。

  1. 「一帯一路」と「長期ビジョン2050」(注1)、「新復興戦略」(注2)を連携させ、貿易、投資、金融、鉱物資源・エネルギー、ネットワークの相互接続、インフラ、デジタル経済、グリーン発展などの分野での協力拡大。
  2. 「エレンホト―ザミンウード経済合作区」(注3)開発を契機とする産業協力、辺境地域の発展推進。
  3. 両国国境税関の手続き面での利便性向上や貨物取り扱い能力の向上、鉄道用出入国・税関施設建設などによる輸送ルートの多元化。
  4. 「中モ経済・貿易合作中期発展綱要」の改定、「中モ投資合作発展綱要」の制定に向けた調整の継続。
  5. 石炭などの鉱物貿易についての長期的かつ安定した協力。モンゴル南部での太陽エネルギー、風力エネルギーなど再生可能エネルギープロジェクトの実施。
  6. 中国企業のモンゴルでのインフラ、都市建設、鉱物資源開発などのプロジェクトへの投資促進。モンゴルの投資環境改善。
  7. 環境保護、砂漠化対策の強化、気候変動への対応。
  8. 「中国・モンゴル・ロシア経済回廊」(注4)建設の継続。

(注1)モンゴルの2050年までの長期発展計画。

(注2)モンゴルの新型コロナウイルスの影響からの経済再建を目指す政策。

(注3)2019年に両国政府が設立に向けた協議に署名。両国の国境地域にある中国・内モンゴル自治区エレンホト市とモンゴル・ドルノゴビ県ザミンウード市に設置予定。

(注4)中国・モンゴル・ロシア間で、貿易の増加、製品競争力の強化、国境間の物流円滑化、インフラ整備などを通じて協力を強化するもの。

(河野円洋)

(中国、モンゴル)

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