日本産米粉でドイツ伝統のケーキ開発、ワークショップでベーカリー関係者に訴求

(ドイツ)

ベルリン発

2022年02月17日

日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)とジェトロは2月7日、ドイツ南部のミュンヘンで、ベーカリー関連事業者などを対象に、日本産米粉の普及促進のためのオンラインワークショップを開催した。

日本では、主食用米の需要量が年々減少しており、主食用米以外での米の生産・消費増に向けた対策が求められている。他方で、世界やドイツのグルテンフリー市場は拡大しており、2024年には世界のグルテンフリー市場は100億ドルを超えると見込まれている(JFOODO調べ)。日本産米粉はグルテンフリー原料の1つで、新たなビジネスチャンスが到来している。

EU統計局(ユーロスタット)によると、2021年1~10月の日本からドイツ向け日本産米粉輸出額は新型コロナウイルス危機前の2019年同期比で2.2倍に増加。他方、ドイツ全体の日本産米粉のシェアは0.4%にとどまり、日本産の認知度向上が課題になっている。

そこで、JFOODOとジェトロは日本産米粉の普及を図るため、ドイツの中でも高所得者層が多く、食文化が進んでいるミュンヘンのケーキ屋たんぽぽコンディトライ・カフェ(tanpopo Konditorei Cafe外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)の岡田かな子氏をアンバサダーシェフとして起用し、日本産米粉を使用したドイツ発祥の伝統的な菓子「アプフェルシュトロイゼルクーヘン」(リンゴケーキ)のレシピを開発した。

グルテンフリーに仕上がったシュトロイゼルクーヘンは、リンゴを2層にすることで、しっとりとした食感と、上層のクランブルな食感を一緒に味わえる。きめが細かい日本産米粉を使うことで、ふるいにかける必要もなく作りやすいのも特長の1つだ。

7日のオンラインワークショップでは、和爾俊樹ジェトロ・ベルリン事務所長が日本産米粉の特長として「グルテンフリー」「ダマになりにくい」「ボソボソしにくい」を挙げて、ベーカリー関連事業者に日本産米粉の活用を呼びかけた後、岡田氏がレシピを実演し、JFOODO米粉プロモーションの参加事業者4社(グリーンパワーなのはな、群馬製粉、小城製粉、みたけ食品)の商品を紹介した。

ワークショップ後、参加者からは各社の日本産米粉商品の用途や価格などについて具体的な質問があった。今後、ドイツにおける日本産米粉の普及に期待がかかる。

写真 日本産米粉を使用したリンゴのシュトロイゼルクーヘン(JFOODO提供)

日本産米粉を使用したリンゴのシュトロイゼルクーヘン(JFOODO提供)

写真 日本産米粉アンバサダー(シェフ)のtanpopo Konditorei Cafe 岡田かな子氏(JFOODO提供、©Gina Gorny)

日本産米粉アンバサダー(シェフ)のtanpopo Konditorei Cafe 岡田かな子氏(JFOODO提供、©Gina Gorny)

(小菅宏幸)

(ドイツ)

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