1月に続き、矢継ぎ早に第6弾の経済対策を発表

(香港)

香港発

2022年02月18日

香港政府は2月14日、新型コロナウイルスの感染第5波(注)拡大に伴い深刻な打撃を受けている業界や市民を支援するため、第6弾となる経済対策「防疫抗疫基金」を発表した。

政府のコロナ対策関連規制の延長を受け、各界に深刻な経済的影響が広がっており、1月14日の第5弾防疫抗疫基金(2022年1月18日記事参照)から1カ月での追加支援策発表となった。総額は270億香港ドル(約4,050億円、1香港ドル=約15円)(添付資料参照)で、第5弾の35億7,200万香港ドルから約7.5倍増となる。過去の基金には含まれていなかった、失業者への一時金支給などが含まれる。

発表翌日の15日には立法会(日本の国会に相当)財務委員会を通過済みで、今後、補助金支給など一連の支援策が実施される。

香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は、立法会での迅速な審議に感謝の意を表すとともに、前回の第5弾基金については迅速・簡潔な方法で申請を処理するようにとの声を受けて、2月11日時点で既に11億香港ドルを支給済みとし、第6弾基金についても同様の方法で対応し、差し迫った市民のニーズに応えていく考えを示した。

発表された「防疫抗疫基金」のうち金額の大きな項目は以下のとおり。詳細は添付資料参照。

  1. 飲食店向け(35億3,000万香港ドル):店舗面積に応じ、10万~50万香港ドルの一時金を支給。
  2. 旅客運送事業者向け(20億71万香港ドル):バス・タクシー・フェリーなど1台/1隻当たり3万香港ドルの一時金を支給。5カ月間、LPG(液化石油ガス)燃料1リットル当たり2香港ドル補助。
  3. 臨時失業支援(30億香港ドル):第5波感染拡大による失業者に対し1万香港ドルの一時金を支給。
  4. 雇用創出(66億香港ドル):3万人の有期雇用を創出。

(注)香港では一般的に、2020年1月の新型コロナウイルス感染拡大開始を「第1波」、同年3月中旬以降の輸入症例拡大を「第2波」、同年7月中旬以降および11月下旬以降の域内感染拡大をそれぞれ「第3波」「第4波」、2022年1月のオミクロン変異株感染拡大以降を「第5波」と呼んでいる。

(渕田裕介)

(香港)

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