ジョンソン英首相、ウクライナ情勢に関しミュンヘンで演説

(英国、ロシア、ウクライナ)

ロンドン発

2022年02月21日

英国のボリス・ジョンソン首相は2月19日、ミュンヘンで行われた安全保障会議に参加、ウクライナ情勢に関し演説した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

ジョンソン首相は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の意図を完全に知ることは難しいとし、強力な制裁に向けた米国やEUなどとの協働や、NATOに対する英国の貢献(東欧側の防衛強化)などについて触れ、各国が強く団結しなければならないとした。同首相は、ロシアがウクライナに侵攻した場合にはロシアにとって戦略的に重要な個人・企業に対し制裁を発動、英国の資本市場での資金調達をできないようにすると述べた。また、侵攻による衝撃は世界中に影響し、東アジア、台湾にも影響するだろうとした。

同首相は同日、欧州諸国首脳とも会談。ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領との会談外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、同首相は直近のロシアによるウクライナ東部ドンバスへの攻撃やウクライナ政府に対するサイバー攻撃を批判。また両国は、さらなる侵攻はロシアの重大な誤算であり、ウクライナによる強力な抵抗を伴うことで一致した一方、プーチン大統領には平和的かつ外交的な方法を選ぶ時間が残されていることに合意した。さらに、ラトビアのエギルス・レビッツ大統領、エストニアのカヤ・カラス首相との会談外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、ロシアの侵攻に対して欧州とNATOの団結を明確にする必要があることと、ロシアがウクライナの主権へのさらなる侵害を決定した場合に重大なコストを科すために協力することに合意した。ドイツのオラフ・ショルツ首相との会談外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、外交的解決の達成に向けた努力をさらに強めることで合意。ジョンソン首相は、欧州におけるロシアの長期的な脅威低減のため、ロシアの天然ガスなどへの依存を終わらせる必要があると強調した。

ジョンソン首相は20日、フランスのエマニュエル・マクロン大統領と電話で協議外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますプーチン大統領が同日のマクロン大統領との電話協議で示したコミットメント外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、同氏が外交的解決を見出すために意欲的に取り組む可能性があることの兆しとして歓迎。また、あらゆる議論でウクライナの意見が重要と強調した。両者はロシアとウクライナ両国がミンスク合意のコミットメントを完全に順守する必要があることに合意した。

(山田恭之)

(英国、ロシア、ウクライナ)

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