リライアンスヘルスがシリーズBラウンドを調達

(ナイジェリア)

ラゴス発

2022年02月15日

デジタルヘルスプロバイダーのリライアンスヘルスが2月7日、シリーズBラウンド(注)で4,000万ドルを資金調達したと発表した。今回の資金調達は、アフリカのヘルステック企業としては過去最大となった。

2015年にナイジェリアで設立された同社は、パートナー企業や施設との提携、独自の医療施設と連携することにより、手頃な医療保険の販売、遠隔医療、処方箋の発行など、ヘルスケアに関する一連のサービスを提供している。現在では、バイヤスドルフ・ニベア、ジュミア、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)、リージャスなどの大手企業を含む600社の企業と20万人以上の個人が同社のサービスを利用している。

今回のラウンドは、米国のプライベートエクイティファンドであるジェネラル・アトランティック(GA)がリードインベスターを務め、日系のAAIC、エムスリーのほか、パーテック、ピクス・キャピタル、テンセント、P1 ベンチャーズ、レールダルミリオンライブファンドといった投資家が参加した。

同社の2020年のシリーズAラウンドから出資参画しているAAICグループのナイジェリア法人代表の一宮暢彦氏はジェトロの取材に対し、「弊社は新型コロナ前から出資参画したが、リライアンスヘルスは爆発的ともいえるスピードで事業を成長させた。定量的な成長だけでなく、『病院で数時間並ぶ必要がなくなった』『すぐに医師に相談できる』など、既存の医療サービスではできない経験に感動する、同社のユーザーの声がナイジェリア国内で広がっていく様子をこの2年弱で目の当たりにしてきた。今回のシリーズBラウンドでアフリカのヘルステックで最大規模の調達を実施したことは素晴らしいが、彼らのこれまでの実績と今後の成長への期待をそのまま映した結果ともいえる。GAやエムスリーなどの新たな強力なパートナーと協働し、アフリカのデジタルヘルスを牽引する存在として成長を続け、さらに社会に変革を起こしてほしい」と答えている。

米国のパーテック・パートナーズによると、2021 年のナイジェリアのスタートアップの資金調達額はアフリカ全体の34%に相当する18億ドルを記録し、2020年の3億700万ドルから資金調達額を大幅に伸ばした(2022年2月10日記事参照)。うち、ナイジェリアのヘルステックは4,420万ドルを調達した。

(注)スタートアップ企業において、ベンチャーキャピタルなどが出資する段階。

(馬場安里紗)

(ナイジェリア)

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