アフリカの2021年VC投資は前年比3.6倍の52億ドル、大型投資が増加

(ナイジェリア、南アフリカ共和国、エジプト、ケニア、セネガル)

中東アフリカ課

2022年02月10日

米国のパーテック・パートナーズは2月3日、「2021アフリカテックベンチャーキャピタル外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。同レポートによると、2021年にアフリカのスタートアップ企業がベンチャーキャピタル(VC)から調達した資金の総額は52億ドル(前年比3.6倍)、投資件数は681件(前年比92%増)だった。

2020年は新型コロナウイルスにより調達額が減少したが(2021年3月3日記事参照)、2021年はアフリカのスタートアップにとって飛躍の年となった。新型コロナウイルス感染拡大前の2019年(20億2,000万ドル)と比較しても、約2.5倍の伸びとなった。いずれの投資ラウンドにおいても、投資件数、資金額はともに増加しており、この理由について、アフリカ域内外で投資家数の増加を挙げている。特に、グロースステージにおいては23億4,000万ドル(前年比7.5倍)となった。投資額が5,000万ドルを超える案件は2020年が2件だったのに対し、2021年は21件になっている。

国別でみると、1位ナイジェリア(18億ドル、185件)、2位南アフリカ共和国(8億3,200万ドル、122件)、3位エジプト(6億5,200万ドル、140件)、4位ケニア(5億7,100万ドル、93件)となっており、上位4カ国で調達額全体の73%を占める。なお、ケニアは初めて上位3カ国から転落となった。セネガルは、ウェーブがユニコーン企業になったことで5位にランクインしており、アフリカでユニコーン企業を擁する国としては、ナイジェリア、エジプトに次いで3カ国目となった。また、フランス語圏の投資額が増加しており、13カ国で5億1,700万ドルと前年比8倍の伸びになった。

セクター別でみると、調達額全体の63%を占めるフィンテックが32億ドル(前年比9倍)でトップだった。次いで物流テックが3億8,800万ドル(5倍)、エドテックが2億9,100万ドル(7.5倍)だった。案件数では、1位がフィンテック(219件)、2位がエンタープライズ(103件)、3位がE/M/Sコマース(94件)となった。

(小林淳平)

(ナイジェリア、南アフリカ共和国、エジプト、ケニア、セネガル)

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