2021年のタイの国境貿易は3割拡大、国境再開を加速へ

(タイ、マレーシア、ラオス、カンボジア、ミャンマー)

バンコク発

2022年02月15日

タイのジュリン・ラクサナウィシット副首相兼商務相は2月2日、マレーシア、カンボジア、ラオス、ミャンマーとの陸上国境を通じた貿易(4カ国を経由した中国、シンガポール、ベトナムなどとのトランジット貿易を含む)の総額について、2021年は前年比30.0%増の1兆7,153億バーツ(約6兆円、1バーツ=約3.5円)だったと発表した。同額はタイの貿易総額(約17兆912億バーツ)の約1割を占める。

近隣4カ国との国境を通じた輸出額(トランジット貿易を含む)は、前年比34.6%増の1兆313億バーツと大台を突破した。4カ国の中では、ラオス国境を通じた輸出が最大で、39.3%増の4,177億バーツだった。続いて、マレーシアが42.6%増の3,466億バーツ、カンボジアが16.6%増の1,449億バーツ、ミャンマーが2.1倍の1,221億バーツとなった。

上記輸出額に含まれる、4カ国を通過した中国、シンガポール、ベトナムへの輸出(トランジット輸出)については、中国が59.7%増の1,948億バーツ、シンガポールが51.5%増の539億バーツ、ベトナムが5.0%増の463億バーツだった。

近年、タイの国境貿易は堅調に拡大している。商務省は2022年の目標を前年比5~7%増、国境輸出総額を1兆800億~1兆1,000億バーツに定めた。商務省によると、輸出の追い風となる好材料がそろっており、(1)世界と近隣国における経済回復の継続、(2)通貨バーツ安、(3)中国ラオス高速鉄道の開通(タイ=中国間輸送の円滑化)、(4)民間企業との緊密な協力、(5)国境検問所の再開の加速などが挙げられた。

タイは97の国境検問所のうち、現在まで48カ所を再開させている。まだ再開されていない国境検問所のうち、商務省は2022年中に、ラオス国境を中心とした12カ所(下記)の早期再開を目指す。

  • ラオス国境:チェンライ県ウィアンケン郡バンチェムポン臨時検問所、ルーイ県チェンカーン検問所、ノンカイ県シーチェンマイ郡バンモー臨時検問所、同県ノンカイ港検問所、同県ポンピサイ郡バーンチュムポーン臨時検問所、同県サンコム郡バンムアン臨時検問所、ナコンパノム県ナコンパノム桟橋検問所、ムクダハン県ムクダハン桟橋検問所、ウボンラチャタニ県ナタン郡バンパクセン検問所
  • カンボジア国境:トラート県バンターセン自然道検問所、サケオ県ノンイアン検問所
  • ミャンマー国境:チェンライ県メーサイ第1橋梁(きょうりょう)検問所

他方、商務省は不安材料として、オミクロン株の流行とミャンマー政治情勢を挙げた。新型コロナウイルスの流行は、国境閉鎖や検疫強化による国境混雑の要因となる。また、ミャンマーでの貿易赤字縮小に向けた外貨管理政策は、タイの国境輸出に影響を及ぼす可能性がある。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ、マレーシア、ラオス、カンボジア、ミャンマー)

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