ペルー携帯電話市場、価格競争から質の競争の時代に突入
(ペルー)
リマ発
2022年02月16日
ペルー情報通信民間投資監督庁(OSIPTEL)は2月4日、同庁プレスリリースで2022年1月の携帯電話会社(キャリア)の乗り換え回線数が前年同月比14.0%増の45万9,583回線に上ったと発表した。一方、クリスマスキャンペーンで乗り換え件数が伸びた2021年12月比では10.6%減だった。サービス内訳では、「後払い」契約回線が全体の65.8%を占めており、「プリペイド式」契約回線が残りの34.2%となっている。同庁のラファエル・ムエンテ長官は、2014年7月16日から導入された携帯電話番号ポータビリティ(MNP)制度によって生まれた競争により、携帯電話市場はより活性化された、と評価している。
キャリア別では、メキシコのクラーロ(CLARO)とチリのエンテル(Entel)が2022年1月の契約数を、それぞれ前月比2万5,468回線増の14万3,265回線と、1万249回線増の13万3,067回線と伸ばしたのに対して、スペインのテレフォニカ傘下のモビスター(Movistar)は9,526回線減の11万9,936回線、ベトナムの国有企業ベトテルのビテル(Bitel)が2万5,291回線減の6万2,146回線と契約数を減らしている(添付資料表参照)。
ムエンテOSIPTEL長官は、同庁が開催したウェビナーにおいて、ペルーの携帯電話市場は拡大基調にあり、現在の4,310万回線が2022年末には4,400万回線、2023年末には4,500万回線に達すると予測している。また、固定インターネット回線市場についても、現在の304万回線から2022年末には330万回線、2023年末には370万回線に達するという見通しを立てている。さらに、料金については、2015年第4四半期から2021年第3四半期にかけて、1Mbps当たりの料金が24.45ソル(約758円、1ソル=約31円)から1.16ソルへと95.3%減少したという。一方で、今後の市場動向についてはこれまでの価格競争からサービスの質の競争に転じていくとの考えを示した。
(設楽隆裕)
(ペルー)
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