ソニー・インタラクティブエンタテインメント、米ゲーム会社バンジーを買収

(米国、日本)

米州課

2022年02月04日

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE、本社:米国カリフォルニア州サンマテオ)は1月31日、米ゲーム会社バンジー(Bungie、本拠地:ワシントン州ベルビュー)買収の確定契約を締結したことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。買収額は36億ドルで、買収後も運営は独立し、各種プラットフォーム向けにコンテンツを提供する。

SIEのジム・ライアン社長兼最高経営責任者(CEO)は「プレイステーションをより多くのユーザーに届けるための戦略上、重要な一歩となる」と述べた。また、バンジーのピート・パーソンズ会長兼CEOは「バンジーもSIEも、ゲームの世界はわれわれのIP(Intellectual Property、知的財産権)の一形態にすぎないと考える。われわれの独創的な世界には計り知れない可能性があり、SIEのサポートにより、バンジーが創造的なビジョンの実現に取り組むグローバルなマルチメディアエンターテインメント企業となることを推進する」と述べている。

バンジーはこれまで「Halo(ヘイロー)」や「Destiny(デスティニー)」といったコンテンツを開発してきた。また、2000年から2007年にかけてはマイクロソフト傘下にあり、2007年の独立時には「Halo」の知的財産権は同社に移譲されている。パーソンズ氏は「SIEは、バンジーの原動力であるクリエーティブな独立性を尊重するとともに、世代を超えた意義深いエンターテインメントの経験を創造するというわれわれのビジョンを加速することを望み、全面的にサポートしてくれるパートナーだ」と述べており、自社でのコンテンツ開発における独立性に重点を置いていることが分かる。

これまでゲーム業界では、家庭用ゲーム機のシェア拡大の競争が進んでいた。しかし、2017年にマイクロソフトが提供開始したコンピュータゲームのサブスクリプション(定額配信)サービス「Xbox Game Pass」の会員数が2,500万人を超えるなど、近年はソフトコンテンツの拡充をめぐる競争へと転換している。(「ウォールストリート・ジャーナル」紙電子版1月19日)。これにより、大手プラットフォーマーによるソフトウエア会社の買収も相次いでおり、2022年1月にはマイクロソフトが「コール・オブ・デューティ(Call of Duty)」などを開発したアクティビジョン・ブリザードを、ゲーム業界では史上最高額となる687億ドルで買収することを発表している。

なお、ブルームバーグによると、マイクロソフトによるアクティビジョン・ブリザード買収計画について、司法省の代わりに米連邦取引委員会(FTC)が反トランス法(独占禁止法)に基づく審査を担当する方針であると報じた(2月1日)。

(滝本慎一郎)

(米国、日本)

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