フランス語圏共通最高会計検査機関協会の総会開催、コートジボワールの公的債務水準を協議

(コートジボワール)

アビジャン発

2022年02月16日

コートジボワールのアビジャンで1月31日に開催されたフランス語圏共通最高会計検査機関協会(AISCCUF)の第9回総会で、カンバリ・ディオマンデ会長は、コートジボワールの公的債務の水準は、西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA)が設定した経済収斂(しゅうれん)基準のGDP比70%未満を大きく下回っていると指摘する一方で、現在47%と推定される同国の公的債務の推移を今後、監視していくと言明した。

総会に出席したコートジボワール経済財務省のアルマン・ベニエ代表は、政府が債務持続性の分析や中期的返済戦略など、一連の改革を通じて債務を管理していることを言明した。また、コートジボワールはアフリカの重債務国ランキングでワースト10カ国に入っていないことを強調した。経済財務省がIMFと行った債務持続性に関する分析によると、同国は「中程度のリスクレベル」にあるとし、「政府は債務を完全にコントロールしている」と報告されている。

コートジボワールの市民社会組織プラットフォームの市民社会協議会(CSCI)は同日、2017年から2021年3月末までの債務に関する調査報告書の検証ワークショップを開催し、「公的債務の水準がGDP比58%の17兆6,760億CFAフラン(約3兆5,352億円、1CFAフラン=約0.2円)に膨らんでおり、UEMOAが設定した基準値の70%に危険なほど迫っている」と指摘した。公的債務の内訳は、対外債務が64%で、国内債務が36%だ。

コートジボワールは2012年、HIPCイニシアチブ(重債務貧困国に対する債務救済措置)の一環である債務帳消しにより、公的債務はGDP比67%から18%に減少した。しかし、新型コロナウイルスの流行により2020年には、アフリカの多くの国が自国の経済を支えるために新たな債務を負った。このような債務負担が加速する傾向からCSCIは、コートジボワールが債務超過に陥る危険性があるとして、政府に警鐘を鳴らしている。

CSCIは、2025年末まで全ての債務返済を中止し、(1)資金を国民の保護と復興に充てる、(2)全ての債務軽減努力に民間債権者の参加を義務付ける、(3)富める国や国際機関は、新型コロナワクチン購入のためにアフリカが新たな債務を負うことがないようにする、(4)途上国を支援するための緊急無償資金を追加的に動員する、などを提言した。

(野澤俊明、渡辺久美子)

(コートジボワール)

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