貿易総額は過去最高、輸出入とも2桁増

(マレーシア)

クアラルンプール発

2022年02月16日

マレーシア統計局は2月4日、2021年通年の貿易総額が前年比24.8%増の2兆2,270億リンギ(約60兆1,290億円、1リンギ=約27円)だったと発表した。1994年以降最も高い伸び率を記録し、初めて2兆リンギを上回った(添付資料表1参照)。輸出が26.0%増の1兆2,398億リンギ、輸入が23.3%増の9,872億リンギと、いずれも2桁増だった。貿易収支は37.7%増の2,526億リンギと、1998年以降24年連続かつ過去最高の黒字となった。

輸出を品目別にみると、上位品目が軒並み前年比2桁増だった。全体の36.8%を占める電気・電子製品が18.0%増の4,557億リンギと好調を維持した(添付資料表2参照)。同品目の6割強を占める集積回路は17.7%増の2,814億リンギだった。原油価格の高騰に伴い、パーム油・同製品、精製石油製品の輸出がそれぞれ48.0%増(1,085億リンギ)、60.4%増(862億リンギ)、と大幅に増加した。ゴム手袋の世界需要も引き続き堅調で、52.6%増の548億リンギとなった。輸入でも、上位品目が2桁増だった。

国・地域別にみると、米国からの輸入を除く主要相手国との貿易が前年比2桁増となり、回復が顕著だった。中国向けの輸出が20.6%増の1,920億リンギ、輸入が33.0%増の2,290億リンギで、13年連続で最大の貿易相手国となった(添付資料表3参照)。シンガポールとの輸出入はそれぞれ22.0%増、27.2%増だった。米国向けの輸出は特にゴムや一般機械の輸出増で30.4%増加したが、輸入は鉱物性燃料などの減少で7.4%増にとどまった。日本向けの輸出は、特に電気・電子製品、金属製品および液化天然ガスが大きく寄与し、3年連続の前年割れから一転、2桁増となった。日本からの輸入も、電気・電子製品や機械などで2桁増だった。

また、輸出を四半期ごとにみると、2021年通年の伸びは第2四半期(4~6月)の大幅な回復によるところが大きかったことが分かる。主要国・地域への輸出は第3四半期にやや伸び悩んだが、第4四半期には全体的に回復基調に戻った(添付資料図参照)。

世界需要が貿易を押し上げ

今後の見通しについて、アズミン・アリ国際貿易産業相は、新型コロナウイルスの変異株の感染拡大やサプライチェーン寸断による悪影響も懸念されるものの、電気・電子製品、および精製石油製品、パーム油やゴムなどの資源に対する堅調な世界需要が引き続きマレーシアの貿易増に寄与すると分析した(「ベルナマ通信」1月28日)。

(エスター頼敏寧)

(マレーシア)

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