2021年実質GDP成長率は13.3%、各種規制緩和が経済活動活性化を後押し

(ペルー)

リマ発

2022年02月28日

ペルー国家統計情報庁(INEI)は2月23日、2021年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率は前年同期比3.2%で、4四半期連続のプラス成長を記録したと発表した。これにより、2021年の成長率は13.3%と、中央準備銀行(BCR)の見通し(11.9%)を上回る結果となった。また、新型コロナウイルスのパンデミック前の2019年比でも0.8%の成長を記録した。

第4四半期の成長は主に第3四半期(7~9月、2021年11月25日記事参照)に続き、新型コロナウイルス感染者数が減少し、各種規制が緩和されたことによって回復した民間消費と、顕著な伸びを記した輸出が牽引役となった。INEIによると、民間消費の回復は主に経済活動再開と生産量の増加によって、第4四半期の前年同期比就労率が12.7%上昇し、平均収入も同3.5%増加するなど、雇用と収入の改善が背景にある。これにより、第4四半期の民間消費は前年同期比で4.0%増加。第2四半期(4~6月)、第3四半期(7~9月)の2桁増もあり、2021年年間の民間消費は11.7%増となった。この民間消費の成長に支えられ、BCRによると、2021年の内需は前年比14.4%増、2019年比3.5%増と、いずれもプラス成長を牽引した(添付資料表1参照)。

経済活動別では、第4四半期は農業(畜産・狩猟・林業含む)が前年同期比で5.6%成長した。特に農業(7.4%)と畜産業(3.2%)の成長が顕著で、農業は年間でも3.8%の成長率を記録している。製造業は、第4四半期は木製品や家具(前年同期比マイナス12.2%)、金属製品(マイナス9.9%)、化学品(マイナス6.5%)、食品(マイナス1.0%)などが振るわず1.3%の成長にとどまったが、年間成長率は17.7%に達した。その他、レストランやホテル分野が収容人数の緩和や、一部入国禁止措置の解除に加えて、入国後の強制隔離解除など水際対策の緩和により、第4四半期は前年同期比45.7%増加し、年間で43.3%の成長を遂げた(添付資料表2参照)。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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