ウクライナ情勢の緊迫化、間接的にマレーシアにも影響しうると識者指摘

(マレーシア)

クアラルンプール発

2022年02月24日

ウクライナ情勢の緊迫化を受け、マレーシアでも間接的影響を懸念する見方が広がる。マレーシア外務省によれば、在ウクライナ大使館員とその帯同家族9人を含む20人のマレーシア人が在住者として登録されている(「スター」2月14日)。同省は、そのほかの者についても安全を確保し政府からの支援を提供すべく、在ウクライナ大使館へのコンタクトと居所の登録を強く促している(注)。

2021年の貿易統計によれば、マレーシアの貿易総額に占めるロシアの比率は0.4%、ウクライナは0.1%と、いずれも主要な貿易相手国ではない。しかし、地理的に離れていても、状況が悪化すれば東南アジア全体への影響は免れないとの見解がある。その理由として、マラヤ大学で国際関係を専門とするロイ・アンソニー・ロジャース博士は「ロシア・ウクライナ間の緊張の高まりは原油生産や価格に直結する」ためだと指摘する。資源価格の高騰は、東南アジアの経済回復を妨げることが懸念されるほか、西側諸国による制裁が、(アジアも含め)ロシアの貿易相手国のマインドにも影響する可能性がある。一方で、マレーシアの立場については「ロシア、米国、中国など大国に対しては常に非同盟策を維持してきた。今回も同様だ」と分析する(「スター」2月20日)。

ASEANにおける公共問題コンサルティングを担うKRAグループのキース・レオン調査部長も、グローバル化が進展した時代において、今回の紛争はASEAN含め他地域に広範に影響し、特に新型コロナウイルス感染からの回復に大きく水を差すものだと指摘する。対ロシア制裁による石油・ガス価格の上昇も「(同様に資源国である)マレーシアに短期的には裨益(ひえき)するかもしれないが、長期的にはネガティブなインパクトの方が大きい」と強調した。

(注)参考情報として、2014年にロシア・ウクライナ間の危機が顕在化した際、同年7月にマレーシア航空MH17便がウクライナ上空でロシア製ミサイルに撃墜される事件があった。

(吾郷伊都子、関淑怡)

(マレーシア)

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