ルーマニアのスタートアップ、2021年のVC投資額が前年比3.8倍、1億ユーロ突破

(ルーマニア)

ブカレスト発

2022年02月09日

2021年のルーマニアのスタートアップ(SU)に対するベンチャーキャピタル(VC)の投資額が1億1,694万ユーロと、2020年の3,039万ユーロから3.8倍となり、初めて1億ユーロを突破した(添付資料図1参照)。ルーマニアのスタートアップ情報を配信するHowToWebが1月22日にレポートを発表した。VC投資件数は2020年の59件から2021年の71件へと20.3%増加した。調査を開始した2017年以降、特にシードラウンド(注1)の投資件数が増加している(添付資料図2参照)。2021年のVC投資のうち、ローコード・フレームワーク(注2)の金融取引プラットフォーム開発のフィンテックOS(FintechOS)がシリーズBラウンドで5,100万ユーロを調達し全体の43.6%を占めたが、これを除いても6,594万ユーロと、2020年から一気に2.2倍になった。

米調査会社のピッチブックが1月19日に発表したレポート「European Venture Report外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」によると、欧州でも同様の傾向で、欧州全体のSUに対するVCの投資額は2020年の468億ユーロから2021年に1,029億ユーロと2倍以上で、初めて1,000億ユーロを突破した。欧州の中でも投資額の大半を英国、フランス、ドイツが集め、ルーマニアのシェアは2021年で0.11%に満たないが、ルーマニアではフィンテックOSのほか、企業向けに古いソフトウエアに拘束されず、オムニチャネル・エクスペリエンス(注3)を構築するフローエックスAI(FlowX.AI、728万ユーロ)、エクイティ・クラウドファンディング・プラットフォーム(注4)開発のシードブリンク(SeedBlink、301万ユーロ)、インフルエンサー・マーケティング・プラットフォーム(注5)事業を運営するフェイムアップ(FameUp、260万ユーロ)、次世代AI(人工知能)チャットボット開発のドゥルイド(DRUID、250万ユーロ、2021年11月16日記事参照)などを筆頭に100万ユーロ以上獲得したラウンドが18件、全体の68%を占め、投資の大型化が目立った。

(注1)ベンチャー企業に対して投資する段階を示す。ベンチャー企業のステージに応じて、プレシードラウンド(アイデア段階)、シードラウンド(プロトタイプ開発段階)、シリーズA(創業期)、シリーズB(成長期)、シリーズC(成熟期)、シリーズD以降と上がっていく

(注2)少ないプログラムコードを使用して、システムを開発するための枠組み

(注3)企業とユーザーを、ECサイト、メール、スマホアプリといったオンラインツールだけでなく、実店舗などオフラインの接点も含めて連携し、一貫した顧客体験を提供する販売戦略

(注4)未公開企業への株式投資型によるクラウドファンディング

(注5)インフルエンサーと、製品・サービスをPRしたい企業とのマッチングプラットフォーム

(西澤成世)

(ルーマニア)

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