2021年の穀物・油脂類の輸出額は過去最高を記録

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2022年02月01日

ロサリオ穀物取引所(BCR)によると、2021年のアルゼンチンの穀物・油脂類の輸出額は前年比57.8%増の378億5,200万ドルとなり、過去最高を記録した(添付資料表1参照)。穀物価格の上昇が輸出額を後押しした。特に輸出が伸びたのは、大豆かす、大豆油、トウモロコシの3品目だった。2021年の総輸出額は779億3,400万ドル(速報値)で、約5割を穀物・油脂類が占めた。

小麦、トウモロコシ、大豆、大麦、ソルガム、ヒマワリ、コメ、落花生、穀類、植物性粉末、植物性油脂、一部の豆類の輸出に際して、輸出者は外国販売宣誓申告書(DJVE)を農牧水産省に提出する必要がある。BCRによると、DJVE登録ベースで穀物・油脂類の輸出数量が最も多かった輸出者は米国カーギル、続いて中国の中糧集団(COFCO)、カナダのバイテラだった(添付資料表2参照)。2021年の穀物・油脂類の輸出数量(DJVE登録ベース)は1億1,700万トン。2019年の水準には及ばなかったが、2020年の6,000万トンから倍増した。大豆かす、大豆油などの大豆副産物はバイテラ、トウモロコシは米国アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)、小麦はCOFCOの輸出数量がそれぞれ最も多かった(添付資料表3参照)。

2022年の主要な穀物・油脂類の輸出額は、BCRの2022年1月時点の見通しによると、前年比26億8,300万ドル減の351億6,900万ドル(添付資料表1参照)。干ばつの影響により穀物生産、特にトウモロコシと大豆生産の減少が懸念されており、BCRは2022年の輸出額の1月時点の見通しを前月の見通しから23億2,200万ドル下方修正した。穀物・油脂類の輸出が稼ぐ外貨は、債務問題を抱えるアルゼンチンにとっては生命線で、輸入決済用外貨の供給源であるため、経済全体への影響が懸念される。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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