米商務省、中国の33事業体を未検証リストに追加

(米国、中国)

米州課

2022年02月10日

米国商務省産業安全保障局(BIS)は2月7日、米国政府による輸出許可前の確認や出荷後の検証を十分に実施することができない未検証リスト(UVL)に中国の33の事業体を加えると官報で発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

UVLに記載される事業体へ米国製品を輸出、再輸出または国内移転する場合は、輸出管理規則(EAR)の許可例外が適用されない。また、EARの対象だが、輸出許可の対象ではない米国製品をUVLの事業体へ輸出・再輸出または国内移転する場合、輸出業者は出荷前に、EARで禁止されている用途に米国製品を使用しないことなどに同意するステートメントを事業体から入手し保管するなどの制限が課される。

BISのマシュー・アクセルロッド次官補は同日に出したプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの中で、「タイムリーに最終用途を確認し、米国の輸出製品を受け取る外国事業体の正当性および信頼性を検証することは、わが国の輸出管理システムにおける基本原則だ。本日、中国所在の33事業体をUVLに追加したことで、米国の輸出業者がデューディリジェンスを実施し取引リスクを評価する際に役立ち、中国政府に対し最終用途の確認に協力することの重要性を示すことになる」と述べた。

他方、この発表を受けた中国商務省の報道官は同日、「中国政府は、中国の33の事業体が米国のUVLに追加されたことに強く反対し、米国にこれを是正した上で双方にとって利益となる協力関係という正しい軌道に戻ることを促す」と述べた。

BISが管轄するEARに関するリストには、UVLのほか、取引禁止リスト(DPL)やエンティティリスト(EL)がある。DPLには、EARの重大な違反を犯した事業体が掲載され、輸出および再輸出の特権が剥奪される。それに対して、ELには、米国の安全保障および外交政策上の利益に反する事業体や大量破壊兵器を拡散する恐れがある事業体が掲載され、当該事業体に特定品目を輸出、再輸出または国内移転する場合は、特別な許可を取得しなければならない。

(片岡一生)

(米国、中国)

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