村田製作所、高周波フィルター製造の米レゾナントを買収へ

(米国、日本)

米州課

2022年02月17日

村田製作所(本社:京都府)は2月15日(米国時間14日)、米国子会社ムラタアメリカ(本社:ジョージア州スマーナ)が米レゾナント(本社:テキサス州オースティン)を総額約3億ドルで買収することで合意し、合併契約を締結したと発表した。村田製作所はすでにレゾナントの株式約4.2%を保有しているが、株式公開買い付け(TOB)により100%を取得して間接的な完全子会社とする。3月下旬に買収完了を予定している。

村田製作所は2019年10月、レゾナントと高周波フィルター技術「XBAR」(注)を用いたフィルター独占開発のライセンス契約を締結し、共同開発を進めてきた。今回の買収により、村田製作所は、SAWフィルターやI.H.P.SAWフィルターといった電子部品で培ってきたフィルター技術やプロセス技術、モノづくり力をレゾナントのXBAR技術と融合させ、さらに優れた高周波フィルターを提供し、通信市場のマーケットリーダーとしての地位をより強固なものにできるとしている。

5G(第5世代移動通信システム)の普及に向けて、帯域要件の複雑化するRFフロントエンドのデバイスやモジュールの需要が急速に高まる中、村田製作所の中島規巨社長は「今回の合併は、モバイル通信技術のキー分野であるRFフロントエンド技術、および3~9ギガヘルツ(GHz)帯域の世界最高フィルタリング技術を向上させるもの」と述べている。

レゾナントは2012年に設立された、RFフィルターのデザインに関するリーディングカンパニー。同社のジョージ・ホルムズ会長兼最高経営責任者(CEO)は「村田製作所はRFモジュールとフィルターの分野で世界をリードする企業。村田製作所の主要製品との組み合わせにより、RFフロントエンド市場での最高水準の製品を供給できる能力のさらなる向上を見込む」「村田製作所チームの一員として、われわれは村田製作所のロードマップへのXBAR技術の統合を加速し、最適なRFソリューションを提供できることを楽しみにしている」と述べた。

(注)圧電単結晶薄膜を活用する高周波・高耐電力対応が可能なフィルター技術

(高山さわ)

(米国、日本)

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