最優先課題は経済強化との回答が7割、米シンクタンク調査

(米国)

米州課

2022年02月24日

米国シンクタンクのピュー・リサーチ・センターは2月16日、米国で「新型コロナ禍」が続く中、2022年に米国大統領や議会が最優先で解決すべき課題に関する世論調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注1)を発表した。

それによると、最優先課題として挙げられたのは、経済の強化が71%と最も高く、医療費の削減(61%)、新型コロナウイルス対策(60%)、教育の改善(58%)、社会保障の確保(57%)が続いた(注2)。

米国では物価高騰が続いており(2022年2月15日記事参照)、食品・日用品の価格が1年前より上昇したと89%が実感している。ガス価格(82%)、住居費(79%)についても同様に大多数が上昇したと回答した。経済状況が良いと回答したのは28%のみだった。

支持政党別では、経済強化を挙げた民主党支持者63%に対して、共和党支持者82%と、19ポイントの差があった。民主党支持者と共和党支持者で30ポイント以上の差が見られたのは、新型コロナウイルス対策(民主党支持者:80%、共和党支持者:35%)、移民対策(共和党支持者:67%、民主党支持者:35%)、財政赤字の削減(共和党支持者:63%、民主党支持者:31%)などだった。

人種間にも見解の相違

人種別では、黒人は新型コロナウイルス対策が1位となっており、以下のように、人種によって上位項目に違いがみられた。

  • 白人:経済の強化(72%)、医療費の削減(60%)、社会保障の確保(59%)テロ対策(57%)、新型コロナウイルス対策(56%)
  • ヒスパニック系:経済の強化(70%)、新型コロナウイルス対策(67%)、医療費の削減(64%)、教育の改善(63%)、犯罪の削減(58%)
  • 黒人:新型コロナウイルス対策(74%)、教育の改善(71%)、経済の強化(69%)、医療費の削減(69%)、貧困者対策(68%)

年代別で意識の差がみられたのは、軍隊の強化とテロ対策で、50歳以上の52%が軍隊の強化を最優先としているのに対して、30歳未満では10%だった。テロ対策では、65歳以上の76%が最優先課題に挙げたが、30歳未満では32%だった。

(注1)実施時期は1月10~17日。回答者は全米の成人5,128人。

(注2)6位以下は、テロ対策(55%)、政治システムの改善(52%)、犯罪の削減(52%)、雇用状況改善(52%)、移民対策(49%)など。

(松岡智恵子)

(米国)

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