2021年の実質GDP成長率は4.7%

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2022年02月25日

ロシア連邦国家統計局は2月18日、同国の2021年の実質GDP成長率を4.7%(速報値)と発表した。新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けた2020年の落ち込み幅を上回る伸びを見せた。

産業別にみると、小売り・卸売り(8.1%増)、製造業(4.6%増)、金融(9.2%増)、ホテル・外食(24.1%増)といった分野が主に回復を牽引した(添付資料表1参照)。

需要面では、経済活動の再開を受けてほぼ全ての指標でプラスとなった(添付資料表2参照)。特に、家計最終消費支出は国内需要の急速な回復により9.6%増と大きな伸びを見せた。経済発展省のポリーナ・クリュチコワ次官は「2021年の経済回復の主な要因は、収入増加による消費者需要の伸び」と指摘した(「コメルサント」紙2月21日)。企業による積極的な投資が寄与して総資本形成は8.7%増となった。

2022年の実質GDP成長率の予測について、ロシア中央銀行はプラス2.0~3.0%(2022年2月時点)、IMFはプラス2.8%(2022年1月時点)、世界銀行はプラス2.4%(2022年1月時点)と想定している。IMFは作物の不作や新型コロナウイルス感染拡大の第3波などの要因により、予測を前回(2021年10月時点)の2.9%からわずかに下方修正している。

(宮下恵輔)

(ロシア)

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