中欧班列の列車運行本数、5万本を突破

(中国)

中国北アジア課

2022年02月03日

中国国家鉄路集団によると、中国と欧州や「一帯一路」沿線国を結ぶ国際貨物列車「中欧班列」の運行本数が1月29日に5万本を突破した(「人民日報」1月30日)。

「中欧班列」は、2011年3月に重慶市からドイツのデュイスブルクまで運行したのが始まり。その後、湖北省武漢市、四川省成都市、河南省鄭州市、陝西省西安市などの他都市からも運行された。2016年6月以降は中国各都市から欧州や「一帯一路」沿線国を結ぶ貨物列車便を「中欧班列」という統一ブランドで総称し、中国各都市と欧州23カ国180都市を結んでいる。

2021年の「中欧班列」の運行本数は前年比22.4%増の1万5,183本、輸送されたコンテナ数は前年比29%増の146万4,000TEU(20フィートコンテナ換算値)と大きく増加した(添付資料図参照)。

同年の輸送貨物の付加価値額は749億ドルと、2016年の80億ドルから大きく増加した。輸送貨物も、当初の携帯電話やノートパソコンなどのIT製品から、自動車部品、完成車、化学工業品、機械電気製品、穀物、酒類、木材などに拡大。輸送品目数は5万種類を超えた(「人民鉄道網」1月30日)。

「新型コロナ禍」で海上コンテナ輸送などが大きな影響を受ける中で、「中欧班列」は逼迫する輸送網を一定程度代替する役割を果たしたとみられる。1月10日付「経済日報」は、「新型コロナの影響で国際的なサプライチェーンが大きな影響を受け、海上、航空物流が円滑に機能しない中、『中欧班列』の順調な運行は企業の輸出上のボトルネックを大幅に緩和する役割を果たした」としている。

1月に開催された中国国家鉄路集団の会議では、「『中欧班列』の戦略ルートとしての機能をさらに発揮させ、全行程の輸送調整連動メカニズムを構築し、中国が掲げる『一帯一路』構想の質の高い発展に貢献していく」との方針が示された。中国としては引き続き「中欧班列」のさらなる活用に向け積極的に取り組んでいくものとみられる。

(中井邦尚)

(中国)

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