ロシアと米国、ウクライナ情勢をめぐり緊急電話会談、双方の立場を主張

(ロシア、米国、フランス、ウクライナ)

モスクワ発

2022年02月15日

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は2月12日、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、米国のジョー・バイデン大統領とウクライナをめぐる情勢について相次いで電話会談を行った。ロシアとフランスは引き続き交渉を続けることで一致したが、ロシアと米国は自国の立場を主張するにとどまり、歩み寄りはみられなかった。

プーチン大統領は一連の会談の中で、a.安全保障構築に関するロシアの要求(注1)に対し、米国およびNATOの回答がロシアの求める内容でないこと、b.ウクライナ側のミンスク合意(注2)順守の不履行、c.それに対し、西側諸国がウクライナ側に義務の履行を迫る働きかけをしてこなかったこと、への不満を表明した。

その一方で、ロシア側は、米国側がロシアとの対話継続に関するシグナルを出していることを示唆している。ロシアのユーリ・ウシャコフ大統領補佐官は電話会談後のブリーフィングで、バイデン大統領を「経験豊かな政治家で、冷戦時代も破局や深刻な紛争を避けるためのあらゆる努力をしてきた人物」と評したうえで、次のように会談内容を記者団に対し説明した。

a.バイデン大統領は、米ロ両国には世界の安定と安全保障を支える必要があること、また現在のウクライナを取り巻く情勢悪化の回避に取り組む必要がある。

b.バイデン大統領は、対ロ経済制裁強化の可能性について言及したが、それでもトーンは米ロ首脳間の対話を継続していくとのものだった。

c.両大統領は、電話会談で議題に上った事項についてあらゆるレベルでの協議を継続することで合意した。

米国側も、対話の窓口は維持するとしている。他方、ロシア・ウクライナ国境周辺の現状を踏まえ、ロシアのウクライナへの侵攻の可能性は否定しがたく、仮に侵攻があればロシアが厳しい代償を負うことになることを、会談であらためて強調したとしている。

(注1)ウクライナの加盟を含むNATOの東方拡大の停止、中・東欧諸国のNATOからの離脱など。

(注2)2015年に欧州安全保障協力機構(OSCE)、ロシア、ウクライナのほか、ウクライナ東部の分離派武装勢力が署名したミンスク第2議定書。停戦、重火器の撤収、中立地帯の設置、ウクライナ東部の分離派支配地域での選挙実施などを規定。

(梅津哲也)

(ロシア、米国、フランス、ウクライナ)

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