武漢市でコロナ感染者確認、市内各地で封鎖措置

(中国)

武漢発

中国・湖北省武漢市内では2月21日に、2021年8月来約半年ぶりに確認された新型コロナウイルス感染者4例を皮切りとして、感染が相次いでいる。2月21日から28日午前0時までに、湖北省の新規感染者数は合計32例(うち6例が無症状)となった。

武漢市内では感染者確認地点で、建物封鎖やPCR検査などが実施されており、2月28日時点で、武漢市内の7つの小区が封鎖されたほか、武漢市内の70カ所以上で小区の一部(ビル数棟、ビルの1フロアなど)が封鎖されている様子。現在も感染者あるいは濃厚接触者の追跡が続いており、感染者もしくは濃厚接触者の移動記録がみつかった各所では、ビル1棟もしくはフロア規模での封鎖、あるいは小区規模の自主的出入り停止措置などが行われている。それぞれの社区により対応は異なるが、封鎖域内の全員に対しPCR検査(回数は社区や小区により異なる)が行われ、陰性が確認されるまで出入禁止とする措置などが継続中だ(2月28日正午時点)。

湖北省疾病予防コントロールセンターからのSMSに注意

今回の感染確認およびそれに伴う封鎖などの措置が開始したことにより、「出張やイベントを取りやめざるを得なくなった」「オフィスの入るビルで濃厚接触者が確認され在宅勤務を余儀なくされた」「自宅マンションが封鎖された」「PCR検査の結果がでて、陰性が確認されるまでオフィスから出られない」などの声が、ジェトロ武漢事務所に寄せられている。同事務所でも、25日午後、感染者1人の2月18日移動歴に同事務所オフィスビル内のコーヒー店などが含まれたことから、同事務所を所管する社区から「PCR検査で陰性が確認されたうえで帰宅するように」との通知があり、翌日未明に全員の陰性が確認され、ようやく全員が帰宅することができた(同ビルでは、28日の週も72時間以内のPCR検査陰性証明の提示がないと入館できない措置を継続中)。

濃厚接触者あるいは2次接触者(濃厚接触者との接触者)と指定された場合、隔離措置やPCR検査の対象になる。このような場合、居住する地域の社区から本人に連絡があるほか、通信会社からのSMSなどを通じて社区に報告するよう湖北省疾病予防コントロールセンターより連絡がくる。SMS受信者の行動歴は後刻確認され、濃厚接触者となった場合には行動歴が公開されてしまう。通知後も移動を継続し、後々、万一、陽性反応が出てしまうと、警告を無視して移動したとのレッテルを貼られる恐れもあるので、SMSには注意しておく必要がある。

画像 中リスク地域に指定された、筆者(武漢市在住)の行程コード(14日以内の行程部分にアスタリスクが追加)(ジェトロ撮影)

中リスク地域に指定された、筆者(武漢市在住)の行程コード(14日以内の行程部分にアスタリスクが追加)(ジェトロ撮影)

(楢橋広基)

(中国)

ビジネス短信 5ada699574c2d578