広東省、全21市で越境EC試験区を設立へ

(中国)

広州発

2022年02月17日

中国国務院は2月8日、越境EC(電子商取引)総合試験区を全国27カ所の都市・地域で新たに設立することを承認すると発表した。政府は2015年に浙江省杭州市で初めて総合試験区を設け、その後、対象地域を徐々に拡大。越境ECを利用した貿易の拡大を目指している(2020年1月7日記事参照)。今回の対象都市・地域の追加により、総合試験区の設置が認可された都市は計132都市・地域となった(2022年2月17日記事参照)。

広東省では、2016年に広州市、深セン市で初めて総合試験区の設立が承認された。今回、潮州市、汕頭市など8都市が新たに承認され、省内21の地級市の全てに総合試験区の設立が認められたことになる。

同省の越境ECの貿易額は2016年の228億元(約4,104億円、1元=約18円)から2021年には3,310億元に大幅に拡大。8年連続で全国1位を維持している(「南方日報」2022年2月10日)。特に、新型コロナウイルスが流行した2020年には前年比51.5%増、2021年には91.7%増と急増した(添付資料表参照)。

上海復旦大学経済学院の李志遠教授は「越境ECは、オフライン取引への依存から脱却し、新型コロナ禍においても広東省の貿易発展レベルを引き上げ、わが国の貿易の安定化と経済の持続的な成長に重要な役割を果たす」と指摘する。また「広東省は産業のデジタル化の発展に向けたさらなる支援、伝統的な貿易企業の越境ECの活用推進支援、越境ECのさらなる発展に向けたメカニズムの健全化などを通じ、貿易と経済発展のレベルアップを図ることが可能」とした(「南方日報」2022年2月10日)。

広東省政府は2021年12月2日、越境ECの高度な発展を促進するための10項目の措置を発表。電子情報産業やスマート家電産業などの支柱産業を中心に越境ECを活用した輸出拡大を目指している(2021年12月16日記事参照)

(梁梓園)

(中国)

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