米ロサンゼルス港と中国・上海港、「太平洋横断グリーン輸送回廊」実現に向けて協業を発表

(米国、中国)

ロサンゼルス発

2022年02月01日

米国ロサンゼルス港、中国・上海港、C40 Cities(注)は1月28日、米国と中国の港と結ぶ世界初の太平洋横断グリーン輸送回廊(transpacific green shipping corridor)の実現に向けて協業する方針を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

両港は、貨物輸送による温室効果ガスの排出削減に向けた取り組みとして、米国や中国の船会社や荷主などの業界パートナーとともに、2022年末までに「グリーン輸送回廊実施計画(Green Shipping Corridor Implementation Plan)」を策定する予定。

今回の発表では、パートナーシップの主な脱炭素化目標として、(1)2020 年代に低炭素、超低炭素、ゼロ炭素燃料の船舶を段階的に導入し、2030 年までに世界初のゼロ炭素太平洋横断コンテナ船を導入すること、(2)米中の国際貿易回廊を利用する全ての船舶の排出量削減と効率性向上を支援するベスト・マネジメント・プラクティスを開発すること、(3)港湾業務によるサプライチェーンの排出を削減し、上海港、ロサンゼルス港および隣接する地域社会の大気質を改善することが挙げられている。

今回の取り組みについて、ロサンゼルス港のジーン・セロカ事務局長は「世界のサプライチェーンを脱炭素化するためには、国際的な協力が不可欠。われわれは上海市交通委員会や上海国際港湾グループ、大手船会社、大手荷主と提携し、海上サプライチェーンにおける温室効果ガス排出量を削減することを楽しみにしている」と述べている。

今回の発表では、海運業が全世界の温室効果ガス排出量の3%を占めており、2050年までにその量が倍増する可能性があることや、2020年に船舶によって太平洋を横断したコンテナ量は世界全体の21%に相当する3,120万個(20TEU換算)だったことが指摘されている。

(注)正式名称は「世界大都市気候先導グループ(The Large Cities Climate Leadership Group)」。2005年に、当時の英国ロンドン市長によって提唱・創設された都市ネットワークで、気候変動対策に取り組む大都市で構成されている。米国からはロサンゼルス市やニューヨーク市など14都市が、日本からは東京都と横浜市が参画している。

(永田光)

(米国、中国)

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