チン・ベトナム首相、タイ企業に最先端技術の活用提案
(ベトナム、タイ)
ホーチミン発
2022年02月24日
ベトナムのファム・ミン・チン首相は2月16日、タイのサイアム・セメント・グループ(SCG)のルンロート・ランシヨパート会長兼最高経営責任者(CEO)と、タイの工業団地大手アマタ・コーポレーションのベトナム法人アマタ・ベトナムのソムハタイ・パニチェワCEOと会談し、ロンソン石油化学プロジェクト(総投資額51億6,000万ドル、2022年1月4日記事参照)に最先端技術を活用するよう提案した(「政府公報」2月16日)。会談にはレ・バン・タイン副首相も同席した。
会談でチン首相は、ベトナムとタイの戦略的パートナーシップ関係が発展しており、特にベトナムの貿易投資相手国としてタイは上位10カ国内にあると述べた。また、タイ企業による新型コロナウイルス対策への協力と支援に謝意を表明した。
チン首相は、南部バリア・ブンタウ省のロンソン工業地帯で建設中のロンソン石油化学プロジェクトに関し、SCGが新型コロナウイルスの流行にもかかわらず、着実に工事を進めていることを評価した。その上で、関係省庁や地方政府との連携の下、当初の予定(2023年初頭)どおりに操業を開始できることを望むと述べた。また、同プロジェクトが進むことで、ベトナムの石油製品の輸入依存が低下し、国内調達が確保されるとともに、ベトナムが石油製品の輸出基地となるとの期待を示した。さらに、同プロジェクトについて、最先端のグリーンかつクリーンな技術を活用するよう提案した。
チン首相は、SCGとアマタ・ベトナムが協力してロンソン石油ガス工業団地やロンソン電力センターに投資することを提案。また、アマタ・ベトナムに対しては、ハイテク向けの工業団地への投資拡大を検討するとともに、サプライチェーンやバリューチェーンの再編が進む中、タイ企業など外資企業を誘致する橋渡し役となるよう要請した。
これに対し、SCGは同プロジェクトの進捗状況を説明するとともに、第2フェーズでは循環型社会の実現に向けて最先端の技術を活用すると説明した。
(比良井慎司)
(ベトナム、タイ)
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